くらし情報『庵野秀明氏『ゴジラ』総監督までの道 -「日本を代表する空想特撮作品を背負って」』

庵野秀明氏『ゴジラ』総監督までの道 -「日本を代表する空想特撮作品を背負って」

それから、1年以上かけた心のリハビリにより徐々にアニメの仕事に戻っています。

そして、2015年。旧エヴァの放送から20年後の今、すでに2年以上もお待たせしている、シン・エヴァンゲリオン劇場版の完成への実現に向けた作業も、なんとか進められています。
僕の周囲の方々、そしてアニメファンの皆様が、再び完結に向かうというモチベーションを支えてくれているからです。本当に、感謝します。
と、同時に今は、空想特撮映画を形にする作業も行っています。始まりは、2013年1月末でした。東宝の方から直接「ゴジラの新作映画の監督をお願いしたい」と、依頼を受けました。

精神的にも不安定でしたし、「無理です。エヴァもあるし、出来ませんよ」と、その場は固辞しました。が、東宝の誠意と盟友樋口真嗣監督の熱意に心が動かされ、同年3月、監督を引き受ける事にしました。

過去の継続等だけでなく空想科学映像再生の祈り、特撮博物館に込めた願い、思想を具現化してこそ先達の制作者や過去作品への恩返しであり、その意思と責任の完結である、という想いに至り、引き受ける事にしました。今しか出来ない、今だから出来る、新たな、一度きりの挑戦と思い、引き受ける事にしました。

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