富山大、2つの記憶を組み合わせて新しい記憶を作ることに成功
同研究では、マウスに場所の経験と恐怖体験をそれぞれ独立した記憶として覚え込ませたあとに、脳内にあるそれぞれの記憶痕跡を光遺伝学の手法を用いて人為的に同期活動させることで、これらの独立した記憶を連合させることに成功した。
具体的には遺伝子改変マウスに丸い箱を覚えさせたあと、四角い箱で電気ショックを与えた。この場合、場所の記憶と電気ショックの記憶(恐怖の体験)は独立した記憶として覚え込まれる。そして翌日にマウスがくつろいでいる時に海馬と扁桃体に刺入した光ファイバーを通じて20Hzのレーザー光を2分間照射し、丸い箱の記憶と恐怖体験の記憶を同期させた。さらに翌日にマウスを丸い箱に入れると、恐怖反応を示したという。
同研究グループによれば、関連性の弱い記憶同士の不必要な結びつきはさまざまな精神疾患に関わっていることから、今回の成果は今後、精神疾患の治療法創出につながる可能性があるとう。