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糖尿病の予防・改善に発酵オタネニンジンが寄与する可能性が示唆

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糖尿病の予防・改善に発酵オタネニンジンが寄与する可能性が示唆
長瀬産業は3月26日から29日まで岡山県で開催された「日本農芸化学会2015年度大会」において、発酵オタネニンジンによる血糖上昇抑制効果などに関する新知見を発表した。

健康食品などに利用されているオタネニンジン(高麗人参、Panax ginseng C.A. Meyer)は、抗ストレスや抗がん、糖尿病改善などさまざまな効果をもつことが知られている。そして、これらの効果はオタネニンジンの含有成分「人参サポニン」の作用によるものと考えられている。

代表的な人参サポニンのひとつである「Rb1」は、摂取された後に腸内細菌によって代謝された成分「M1」になってから血液中に取り込まれて、さまざまな生理機能を行う。ただ、腸内細菌のこの代謝活性には個人差があり、Rb1をM1に代謝できずに十分なニンジンの効果を受けられない人が少なからずいる。そのため、同社はあらかじめM1を高含有する機能性食品素材「発酵オタネニンジン」を開発したという。

同社は発酵オタネニンジンのストレス下での睡眠障害改善作用など、脳神経系に関わる効果を見いだしてきた中で、今回は「インクレチン」による糖尿病改善効果に着目した。インクレチンとは、消化管より分泌されるホルモン。
膵(すい)臓のβ細胞からのインスリンの分泌を促進して血糖値を一定に保つ役割をもつため、糖尿病の予防・改善を考える上で近年、注目されているとのこと。

同社が培養細胞を用いて試験した結果、インクレチンのひとつである「GLP-1」の分泌促進活性は、オタネニンジン抽出物よりも発酵オタネニンジン抽出物の方が強いことが明らかになった。また単一成分で比較した場合、Rb1と比べてM1の方が強くGLP-1の分泌を活性化することも判明しているという。

今学会ではさらに、M1によるGLP-1の分泌促進の作用メカニズムを解析した結果について発表。M1はMAPK(細胞分裂促進因子活性化タンパク質キナーゼ)などを活性化し、これらを通じた細胞内情報伝達によってGLP-1の分泌が活性化されていることが示唆されたとのこと。

同社は「発酵オタネニンジンに含まれる人参サポニン代謝物・M1は、消化管からのGLP-1分泌を活性化し、糖尿病の予防と改善に寄与することが期待できます」としている。

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