『ソロモンの偽証』の藤野涼子に監督が「演技力は最下位でした」と告白
『ソロモンの偽証』は、転落死した同級生の死の謎を巡り、中学生たちが隠された真実を暴こうとするサスペンス映画。1万人の中から主演の座を勝ち取った藤野涼子が、役柄と同じ芸名で鮮烈に女優デビューを果たした。板垣瑞生は、後篇のカギとなる神原和彦役を演じた。
藤野は「いちばん最後のシーンでは、表現することの難しさを知りました。300人の傍聴人の前で思いを伝えることは、かなり難しかったです」と告白。
「何度もNGを出し、何でこんなに演技ができないんだろうと思ったけど、監督やスタッフさんのおかげで、自分でも納得のいく演技ができたと思っています」と充実感あふれる表情を見せた。
板垣は「(裁判のシーンでは)最初から最後まで回しっぱなしだったので、300人いるなかで、ひとかみすると最初からやりなおし。プレッシャーがすごくて辛かったです」と撮影の苦労を吐露した後「こうやって(劇場を)回らせていただいて、いろんな方々に出会えて幸せでした。人生で1回、経験できるかどうかの映画に出演できてうれしいです」と喜びを語った。
成島監督は、2人について「実は一昨年の11月にオーディションをやり、ワークショップを始めた時、この2人の演技力は最下位でした」と振り返りながら「ただ、2人の真っ直ぐな眼差しと真っ直ぐな心に賭けてみようと。多くのスタッフから反対されたけど、この2人で成立しないなら映画は止めようと思いました。見事にやりきってくれて感謝しています」と藤野たちを称えた。また、監督は「原作者の宮部(みゆき)さんは、言っておきますが、ものすごく気に入ってくれました」とアピールした。
『ソロモンの偽証 後篇・裁判』は4月11日(土)より全国公開。