iOS 8.3アップデートは全ユーザーに必要か? - 地味だが重要な改善点が多数
アップルは9日、iOS 8.3アップデートを公開した。iOS 8.2では大規模な脆弱性に対するセキュリティの改善があったため、全ユーザーに必須とも言えるアップデートだったが、iOS 8.3ではどうだろうか?
○地味だが重要な改善箇所が多数
既報のとおり、iOS 8.3での大きなトピックとしてはiPhone 6/6 Plus向けに全キャリアでのVoLTE対応および、複数の肌の色に対応した絵文字の採用が挙げられる。アップルが公開しているリリースノートでは、脆弱性の改善といった、緊急に対処する必要があるセキュリティ関連の変更点は特に含まれていない。
ただし、セキュリティ関連以外にも改善点は数多い。一般ユーザーに関連する項目としては、アプリの起動時間や反応性といったパフォーマンス全般の向上、Wi-FiやBluetoothといった無線関連の接続性の改善、画面の回転時に起きる表示の不具合の解消、「メッセージ」アプリでグループチャットを作っている場合の問題解消などが挙げられる。
また、Macを持っているユーザーであれば、OS X 10.10.3で追加された「写真」アプリとiCloudフォトライブラリで連携するための最適化や、その他小さな不具合の修正も数多く施されている。
●基本的には最新のOSに保つべき
○業務で使う場合に関係する修正も
業務でiPhoneを使っている場合にも、エンタープライズ向け、特に「Exchange」を使っている場合の不具合の解消や、エンタープライズ向けアプリのインストールやアップデートの信頼性向上など、安定性向上の機能が多く追加されている。
そのほか、リリースノートに載っていなかったからといって、セキュリティ関連の改善がまったくされていないというわけではない。
特に公表することがなくセキュリティホールが解消されているケースもしばしばある。
結論としては、危急なセキュリティ関連の改善はないものの、多くのユーザーにとっては必要性の高いアップデートとなっている。対応する機種を使っているユーザーであれば、アップデートしない理由はないと言っていいだろう。
○OSは常に最新に保とう
iOS 8.3に限った話ではないが、OSのアップデートは、時間がかかる上に初心者には不安を覚えるものでもあるためか、大きな脆弱性の解消などが話題にならない限り、積極的にやろうとしないユーザーもいるようだ。しかしOSのアップデートにはセキュリティだけでなく、バグの改善や動作速度の向上など、ユーザーの利益になる改善も多く含まれる。メジャーアップデートでなくとも、新機能が追加されることも多い。
アップデートに伴って新しい問題が発生することもあるため、初日に急いでやる必要はないが、1週間程度で大きな問題はたいてい出つくすもの。当サイトなどのニュースを確認し、問題がないようであれば、早めにアップデートすることを強くお勧めする。