星野リゾートグループの試み- 非喫煙環境を実現することで会社はどう変わるか
大変申し訳ございませんが、星野リゾートグループでは喫煙者は採用いたしておりません――
こんな一風変わったフレーズではじまる採用ページで話題を集めたのが、ホテルや温泉旅館の運営事業を主軸とする星野リゾートだ。
なぜ同グループが非喫煙者採用にこだわるのか、その真相に迫るべく、グループ人事ユニットの矢島さんに話をうかがった。
○そのきっかけはあるベテラン従業員の存在
――まずは非喫煙者採用を行なうことになった経緯からお聞かせください
矢島さん このプロジェクトは1994年から4代目社長に就任した現代表星野佳路によって立ち上げられたものです。きっかけは、浦上さんという先代から経営を支える「大番頭」的な存在だったベテランの社員が、1日に2箱ほどタバコを吸う習慣があり、2002年肺炎により60歳で没してしまったのですが、長く仕事を共にし、「社員は家族」という価値観を大事にしてきた星野は、「もっと踏み込んでタバコを辞めるようアドバイスしたり、健康への注意を促すことができたのではないか」と後悔しました。そこで浦上さんの死去後、社員の喫煙者をゼロにすることを目的とした「Uプロジェクト」を自らの手で発足しました。