兼業まんがクリエイター・カレー沢薫の日常と退廃 (7) カレー沢薫の華麗なる交友関係
今回のテーマは「同業作家とのエピソード」とのことだが、はっきり言って「ない」の一言で終わってしまう、もちろん他の作家に会ったことはあるが、漫画論で紛糾してゴールデン街で殴りあった等のおもしろエピソードはない。
デビューして1年未満のころ、出版社側もまだ期待してくれていたのか「聖☆おにいさん」の中村光先生と、「ふたがしら」のドラマ化が決まったオノ・ナツメ先生に会わせてもらったことがある。思えばあの時が自分のピークであり、あれから5年経ち、ふたりとの差は当時よりもさらに広がったし、その時もらったサインを未だに自慢しているという有様である。
○交流の機会を「全欠席」する理由
このように、ごくたまに同業作家と同席する機会を設けてもらうこともあるが、基本的に他の作家と出会う機会がほぼないのだ。交流する一番の機会と言えば、各出版社が催す忘年会や新年会に出席することだろうが、当方デビューしてからそう言った会は全欠席なのである。
まず単純に、地方に住んでいるからという理由がある。なぜかどの出版社も週のど真ん中に会を催すのだ。もちろん来るのは漫画家であるから、「休みは土日」という概念がないのでそれで問題ないのだろう。