Apple Storeがいつもと違う! Apple Watch試着体験レポ
4月10日より、Apple StoreなどでApple Watchの試着ができるようになった。Apple Store表参道で早速体験したので、レポートする。
○Apple Storeアプリ、ウェブでお気に入りをつけておく
Apple Storeの店頭で試着を申し出ると、試着可能な時間が案内される。その際、準備が整うと、携帯電話にメッセージで案内が届く仕組みだ。そのため、Apple Store内で待っている必要はなく、店外に出ることもできる。
店内に入ると、Apple Watchの試着専門のスタッフによる接客がスタートする。Apple Store内のApple Watch専用試着テーブルに案内され、お目当てのApple Watchのモデルを試すことができる。
もしも目当てのモデルがない場合でも、試着スタッフが、当日の服装や普段のファッションの好みなどを聞いて、最適なデザインのApple Watchをコーディネートしてくれる。
これまでのテクノロジーの販売方式にはない対応と言える。
筆者の場合、あらかじめ、Apple Storeアプリで、「Apple Watchの42mmメタルリンクブレスレット」と「Apple Watch Sport 42mm」に「お気に入り」をつけていた。これによって試着スタッフは、あらかじめ顧客が気になっているモデルが分かるため、お気に入りのモデルを中心に試着のセッションを進めることができるため、よりスムーズに好みのモデルを試すことができる。
●時間内はどれでも試せる
○時間内であれば、どれでも試せる
Apple Watchの試着セッションは、非常に細かく気遣われていることが分かる。まず立ち位置からして気にしている。顧客が左腕に時計をつけるということであれば、接客を右側から行い、装着しやすいポジション取りをする。また、気になるモデルのサイズを素早く調節して、フィットするよう準備して、装着感を素早く試せるようにする。
おそらく4月10日が初めての接客となるが、Apple Store表参道のスタッフはApple Watchそのものの扱い、そして時計という身につける商品の接客ともに、スムーズに進めている様子だった。
もしも、目当てのモデルやお気に入りをつけているモデル以外でも、時間の範囲内であれば試すことができる。例えば筆者の場合、お気に入りをつけていなかったApple Watch 42mm ミラネーゼループの装着感も試してみたかったため、試着を行った。
○バンドの調整のしやすさがポイント
Apple Watchの試着を通じて気づいたことは、Sportモデルのエラストマーバンドも、ミラネーゼループも、Apple Watchのバンドは非常に調整がしやすいということだ。
おそらく最も調整に手間がかかるであろうメタルリンクブレスレットも、工具なしで1つ1つのリンクを外すことができる画期的なジョイントを採用している。そのため、15分と短い時間でも完璧にフィットした状態にできる。
筆者は時計をする際は150g程度のクロノグラフを気に入って身につけている。その際、ブレスレットは少しゆるめに調節している。しかしApple Watchの場合、心拍センサーによる正確な計測やTapTic Engineの振動を受け取るため、もう少ししっかりとフィットさせる必要がある。
そうした理由もあり、調整のしやすさとフィット感の高さはApple Watchにとって非常に重要な要素だった。エラストマー、レザー、メタルと、様々な素材でこうしたフィット感を実現するため、それぞれに創意工夫の跡を見つけることができる。
正直なところ、15分という短い時間だけでは、これらの工夫をすべて見つけることは難しかったほどだ。
●Apple WatchでApple Storeが変わる
○Apple Storeという場所の雰囲気も変わる
店頭で実際に触って確かめる、という機能がApple Storeの役割だった。ジーニアスバーなどのサポート機能もあって、スタッフと顧客が会話をする機会も多いが、Apple Watchの試着では、最初から最後まで会話をしながら進行していく点が、これまでのApple Storeとは異なる体験だった。
発売日からすぐに触れる場所、という価値は、ソニーやマイクロソフト、サムスンなどが直営店を次々にオープンしている様子を見ると、テクノロジーにとって、まったく新しい製品を提案する際に重要なモデルとなっている。
Appleはさらにそこから1歩進めて、より顧客との深い接点を作り出す場として、Apple Storeを変革しつつある。アポイントを取って自分のための時間を確保するというやり方は、正しく製品を知ることができる点はもちろんのこと、新たな満足度を作り出すことにつながるはずだ。
実際、前述の通り筆者は時計を割とルーズ気味に身につけていた。同じようにApple Watchを装着してしまうと、心拍センサーが上手く働かなかったり、TapTicの振動に気づきにくかったりと、Apple Watchの性能を生かし切る使い方にはならなかったかもしれない。
もちろん、道具を持つ人が自由に使う、という寛容な面がないと窮屈に感じるかもしれないが、一方で正しく性能を発揮する方法を理解するチャンスも重要なのだ。
Appleにとって、あるいはテクノロジーのデバイスにとって、新しい側面を切り拓くことになるApple Watch。製品の価値をサービスがより高める、そんなシーンが、今後Apple Storeで展開されることになるのではないだろうか。
また、Apple Storeアプリでのお気に入りのマーキング、そして試着体験が終わった後に送られてくる、試したモデルを表示するフォローアップメールは、オンライン、ストア、そして再びオンライン、と言う体験の連続性を作り出す点でも、注目すべき取り組みだと感じた。