IMS、β-カロテン分子が多数の金属原子を挟み込む捕捉機能を持つことを確認
同成果は、IMSの村橋哲郎 教授(現 東京工業大学大学院理工学研究科 教授)およびIMSの柳井毅 准教授らの研究グループによるもの。詳細は「Nature Communications」に掲載された。
天然に広く分布している有機色素の一種であるカロテン類は、特異なπ-共役構造を持っており、その構造に基づいてさまざまな機能を発現することが知られているが、金属捕捉機能については、よくわかっていないというのが現状である。今回、研究グループはカロテン分子が連続した炭素-炭素二重結合を用いて多数の金属原子を捕捉する可能性に着眼し、実験と理論の両面での実証を行ったという。
その結果、2つのβ-カロテン分子が、10個の金属原子を連結させながら挟み込み、安定なサヤエンドウ状の化合物を形成することが可能であることを発見したという。また、この反応は可視光の照射下で促進されることも確認したという。
さらに、この化合物は複数の金属原子を出し入れする性質を持つことも発見。
実際にパラジウム原子と白金原子がβ-カロテンに挟み込まれた化合物も合成できることを確認したほか、β-カロテン分子の間に挟まれた金属原子の数が変わると色が大きく変化する性質を持つことも確認し、理論的な計算からこの要因を解明したとする。
なお研究グループでは、今回の成果について、カロテン類の機能性金属クラスター触媒や材料の開発などといった新たな化学利用につながる可能性が示されたとコメントしている。
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