子どものいる家庭でも安心して使える! - 5万円切りのファミリー向け3Dプリンタ「ダヴィンチ Jr. 1.0」
XYZプリンティングジャパンは16日、パーソナル/ファミリー向けの3Dプリンタ「ダヴィンチ Jr. 1.0」を発表した。価格は税込49,800円。4月17日に予約販売を開始し、4月27日に発売する。
発表に合わせて、都内で記者発表会が開催された。発表会場では新製品の実機も用意され、実際に3Dプリントされているところや、出力物のサンプルなどを確かめることができるようになっていた。本稿では、その発表会の様子をお伝えする。
XYZプリンティング、税込49,800円の個人向け3Dプリンタ「ダヴィンチ Jr.」
○急速な普及が期待される3Dプリンタ
XYZプリンティングは、台湾に拠点を置くプリンタ専業メーカー。低価格なパーソナル3Dプリンタ「ダヴィンチ」やプロシューマー向け「ノーベル」シリーズなどで知られており、3Dプリンタメーカーとして国際的に知られている。
発表会では、まず新金宝グループCEO兼XYZプリンティングジャパン代表取締役のサイモン・シェン氏が登壇して挨拶を行った。
シェン氏は、「これまで『ダヴィンチ』シリーズや『ノーベル』などの機種を発表してきましたが、今回は家庭や学校向けの熱溶解樹脂積層方式の3Dプリンタを紹介します」と発表会の趣旨を説明。また、「今後はフードプリンタや3Dスキャナ、よりハイエンド向けの3Dプリンタの開発にも取り組んでいきたい」と今後の抱負も語った。
シェン氏によると、先月開催された「ボアム・アジアフォーラム2015年」で、中国の習近平主席が今後の産業革命に3Dプリンタが果たす役割の重要性について言及したとのこと。フォーラムには中国の工業情報化部部長も出席し、「中国政府が金属プリンタの開発をサポートしていく。またクリエイティブな若い世代を生み出すためにも、3Dプリンタを活用してもらう。そのためには、すべての学校に3Dプリンタを導入できる体制にしていきたい」と語ったそうだ。シェン氏はこうした中国政府の動きもあり、「今後3Dプリンタが急速に一般に浸透していく」と期待感を見せた。
●誰もが3Dプリントを楽しめる時代に
○誰もが3Dプリントを楽しめる時代に
続いてXYZプリンティングジャパンのゼネラルマネージャーを務める吉井宏之氏が登壇し、新製品「ダヴィンチ Jr. 1.0」の特長を紹介した。吉井氏によれば、同製品は既発売の「ダヴィンチ」の性能を引き継ぎながら、「3Dプリンタを誰もが簡単に楽しめる」をコンセプトに、より小型軽量・低価格を実現したとのこと。
また、製品の位置づけとしては「ダヴィンチ」シリーズよりも下の入門機となるが、積層ピッチが「ダヴィンチ」と同等の0.1~0.4mmで、出力サイズも各辺15cmという比較的大きな出力が可能になっている特徴などを説明した。
なお「ダヴィンチ Jr. 1.0」には、新しいオープンリールタイプの専用フィラメントが用意されるが、NFCを利用して本体側でフィラメントの種類や残量を管理することが可能。さらに、このフィラメントを使うことで、各積層間のずれが小さくなめらかな表面を持った造形物の作成ができるという。
ちなみに、専用フィラメントはトウモロコシがベースの地球に優しいPLA(ポリ乳酸)樹脂でできており、地中で二酸化炭素と水に分解される。しかも融点が低くヒーターが不要なため、これまでの「ダヴィンチ」シリーズと比較して最大70%の消費電力をセーブできるそうで、吉井氏は"地球に優しい"製品であることをアピールした。
●安全面にも配慮した設計
○安全面にも配慮した設計
吉井氏はさらに、「ダヴィンチ Jr. 1.0」がSDカードからの印刷に対応していることや、樹脂の射出部のパーツであるエクストルーダがワンプッシュで取り外せてメンテナンスが容易であると説明。
また、駆動部がカバーされた安全設計のため、家庭で気軽に使用できることも特長のひとつとしてあげた。
吉井氏の言葉通り、会場に設置された実機を見ると駆動部分がカバーで覆われており、子どもが近くにいても安心して使用できそうだった。またプリントプラットフォームが熱くならないのも好印象。出力サンプルを確認すると、「ダヴィンチ」シリーズと同等の精度が確保されており、5万円を切る価格を考えるとコストパフォーマンスはかなりよいと言えそうだ。
なお、製品は全国の家電量販店や同社直販サイト、アマゾンや楽天などのECサイト、販売代理店などを通じて4月27日より正式販売される予定。製品には、ガイドチューブや各種メンテナンスツール、SDカード、USBケーブル、電源アダプタ・ケーブル、製品フィラメント(300g)などが同梱され、購入してすぐ使い始めることが可能だ。