加藤シゲアキ、直木賞候補に「信じられない」 アイドル作家の葛藤も明かす
著書の『オルタネート』が「第164回 直木賞」(日本文学振興会)の候補に選出された、アイドルグループ・NEWSの加藤シゲアキが17日、都内で会見を開いた。加藤は「びっくりしましたね。作家にとってあこがれの賞。いつか候補になってみたいと思っていましたが本作でなれるとは思っていなかった。いまいち信じられない。ピンとこなかった」と素直な心境を語った。
加藤のもとに「直木賞」ノミネートの吉報が届いたのは新型コロナウィルスに感染していることが分かり、療養していた頃。「仕事に穴を開けてしまって少し気落ちしていた部分があった。
そこからの知らせで(フットボールアワーの)後藤(輝基)さん風に言うなら“高低差がありすぎて耳がキーンなるわ!”という感じ(笑)。本当にキーンとした」と振り返り、「弊社の人間の喜びが尋常じゃなかった。今日の会見も発売イベントよりも人が多くて、影響力が大きい文学賞だと改めて実感した」と会場を見渡してしみじみだった。
メンバーの増田貴久と小山慶一郎には会見の前日に報告済み。「自分で言うのは恥ずかしかったのでマネージャーさんから伝えてもらった。増田は『僕は本を読まないからわからないけど、すごいことなんですよね?』と言っていて、小山も『すごいなぁ』と噛み締めるように喜んでくれたと聞いている」とにっこり。「僕自身にとってもすごくうれしいことですが、はしゃがないように粛々と受け止めようと思う」とした。
『オルタネート』は加藤にとって3年ぶりとなる新作長編。
高校生限定のマッチングアプリ「オルタネート」が必須のウェブサービスとなった現代が舞台で、SNSの存在に翻弄されていく若者たちの姿を繊細かつエモーショナルな筆致で描いている。
ノミネートされた理由を自己分析してもらうと「まったく分かりません! 本当にわからない」と苦笑い。「でも、いままで以上に若い読者に本を読んでほしい、楽しんでほしいと思って書いた。読書の楽しさが伝えられたら、と意識していました。賞よりも楽しい作品を書こうと思っていた。やっぱり楽しくないと読みたくないじゃないですか」と明かした。
加藤はアイドルとして活動しながら2012年1月に『ピンクとグレー』で作家デビュー。以降、『閃光スクランブル』、『Burn. ―バーン―』、『傘をもたない蟻たちは』、『チュベローズで待ってる(AGE22・AGE32)』などを発表してきた。
「自分はジャニーズ事務所に所属しているから小説デビューができた。本来なら新人賞を獲ってから書くのが通例なのにタレントだから本を出せたことが引け目で、文学賞にお邪魔しているという感覚があった。ちゃんと作家と名乗っていいのかずっと迷いがあった」とタレントゆえの葛藤を抱えていたが、今回のノミネートで「多少は認めていただけたのかなと思っている」と少し安堵した表情をみせた。
「直木賞」受賞作品の発表は来年1月になるが、「いままでは読者として選考を楽しみにしていたけど、まさか選考される側になるとは。考えれば考えるほどドキドキしてきた。選考委員の方が厳しいのも承知している。ここは煮るなり焼くなり、という覚悟です」。レポーターから「受賞したいのでは?」と迫られると、「あまり考えていない。
ここまで来られただけでもう充分。淡々と過ごしたい」と謙虚に話した。
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