エジプト労働記 (45) 首吊り人形
【組み合わせの妙?】
仕事帰りにトゥクトゥクに乗ったときのこと。トゥクトゥクといえば、シールや運転手のブロマイドが貼ってあったり、電飾がついていたりととにかくゴテゴテで自己主張が強いのが特徴です。
ところがこの日乗った1台は飾り気がないというか、とにかく車内がシンプル。珍しい運転手もいるものです。運転手さんは控えめな人なのかな? と思っていたら視界の端にブラブラゆれるものが。
アクセサリーを下げているのかも。
そう思いまじまじと見たところ、何と垂れ下がっていたのはひもでつるされたおっさんの人形。そしてその横には輪っかになった縄が揺れています。この組み合わせ、呪いの首つり人形か!!!? とビビる私。なんて車に乗ってしまったんだ…。
後悔しつつよく見てみると、縄は結構しっかりしています。そしておっさん人形には大きすぎるような…。それもそのはず、実はこれ、車体が揺れたときに乗客がつかめるように付けられた「取っ手(つり革)」だったのです。
おっさん人形とは全くの無関係なのか。
それとも乗客の笑いを誘うためのブラックジョークなのか。疑問が渦巻く私の目の前で、揺れに合わせてぷらぷらと揺れるおっさんと取っ手(つり革)。運転手の気遣いは感じられますが、セレクトが怖すぎます…。
しかもゴテゴテした装飾がないので、余計におっさん人形と縄が目立つこと。シンプルなトゥクトゥクの方がいいのに、と思っていましたが、これはこれでちょっと…。
何にせよ、トゥクトゥクというのは、ゴチャゴチャしているものからすっきりしたものまで、運転手のセンスが凝縮された乗り物なのだなあ、と実感したのでした。
おろぐちともこ
大学で古代エジプト史を専攻し、2011年よりカイロ在住。日々、エジプト人観察に励む。
現在はWebやエジプト人による日本語雑誌の漫画を執筆したり、デジタルアシスタントをしたりと、国境を越えて活動中。至上の喜びは、素敵なカフェで水タバコの煙をゆらしながらぼけっとお茶をすること。生活記Blogつぶえじでは、現地の生活の様子を不定期に発信している。
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