島津製作所、阪大と共同で分析イノベーション共同研究講座を開設
メタボロミクスは、生体内の代謝産物を網羅的に検出・解析し、その挙動を精密に捉えることによって細胞の生命活動を包括的に調べる最先端技術の1つで、同講座のメンター教員を務める阪大 大学院工学研究科 生命先端工学専攻の福崎英一郎 教授はその解析手法の開発および応用の第1人者。同氏は講座開設にあたって、「目的やニーズがはっきりしている研究は、それに対応した機材を購入し活用すれば済む。本講座は潜在化したニーズを掘り起こすために必要なもので、ハードウェアだけでなく、ソフトウェアも含めたトータルソリューションを実現することを目的に実施される」と、その意義を説明。また、「巧遅拙速という言葉があるが、とにかく何かを70%の完成度であってもやってみる、というスピードが重要」とし、企業と大学が一緒に行うことで、そうした速度を実現できるとした。
さらに、「メタボロミクスは新鋭技術であり、その有用性を試すために色々なことを行っている。医者や製薬企業、食品、バイオなど、手段の有用性の検証を行うために、目的を選んでいない。本講座も、ほかの大学でも企業でも、真にこの技術を欲している第3者が入ってくることを大いに歓迎する」とし、幅広い共同連携による潜在的なニーズの掘り起こしを速やかに実現していくことを強調したほか、「大阪から世界へ」を標榜し、海外からも研究者、企業、教育関係者など幅広く参加を募り、世界的な「メタボロミクスの梁山泊」を目指したいとした。
一方、同講座の招へい教授となる島津製作所 分析計測事業部ライフサイエンス事業統括部の飯田順子氏は、「ミッションは、"技術の1つであるメタボロミクスの発展"と"質量分析計を用いた解析プラットフォームの研究開発"」とし、阪大の複数の研究者が参加するほか、島津製作所からもプロジェクトごとに研究員が参加していくことを説明。両者の技術を融合させることで、メタボロミクスの課題解決に取り組んでいくとした。
阪大では、同講座用に前処理用の実験室と実際に分析を行う実験室などを設置。分析機器としては、島津製作所のガスクロマトグラフ質量分析計が3台、液体クロマトグラフ質量分析計が3台、超臨界流体クロマトグラフ質量分析計が1台すでに設置されているほか、2015年6月にはイメージング質量顕微鏡も設置される予定だという。
なお、同講座は第1期という扱いで、2014年12月1日より2017年3月31日(2016年度末)までの期間、開設される予定だが、福崎氏は「成功裏に3年迎えて更新されることを両者ともに革新している」とコメントしており、長期的な研究につながるとの期待を示した。また、同講座では定期的に前処理器具と質量分析計を用いたメタボロミクスの講習会などを実施するなど、多くの人や企業に興味を持ってもらい、技術の活用に向けたオープンな取り組みも推進していくとしている。
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