足元で反発がみられる原油価格~持続的な回復に向けた条件とは?~
急速な市況改善の背景には、4月中旬に、原油需給の改善見通しが相次ぎ発表されたことや、米国原油の生産ペースに鈍化がみられたことなどが挙げられます。原油は近年、新興国での需要が減少する一方、米シェールオイル生産が急増するなか米国在庫は過去最高水準の積み上がりとなっており、世界的な需給バランスの悪化が続いてきました。しかし、原油価格の急落により、米国での原油リグ(掘削設備)稼働数が今年に入って急減したことなどを受け、米当局が同国原油生産の減少見通しを発表したほか、IEA(国際エネルギー機関)が世界の石油需要見通しを上方修正したことなどから、足元で需給改善に向けた期待感が高まっています。
こうした材料から、市場では原油価格の底入れ観測が強まり、投資家の売買動向を示す先物取引状況を見ても、足元で買いポジションが増加しているだけでなく、これまで価格上昇の重石となってきた過度な売り圧力の減少傾向がみられており、投資家が先行きに対して強気姿勢を強めていることがうかがえます。また、株式市場でも、先行き期待や出遅れ感などからエネルギー株の反発が顕著となっています。
今後の注目材料としては、これまで公平な供給調整を主張して頑なに減産姿勢をとらなかったOPEC(石油輸出国機構)が、6月の定時総会で生産姿勢を変更するかが焦点となっています。
また、中東などでの地政学リスクが需給に影響を与える可能性などは、引き続き相場の不安定要因として注視が必要と考えられますが、米国では、夏のドライブシーズン入りとともにガソリン需要が強まると予想されることは支援材料と考えられ、全体として需給改善が鮮明さを増せば、原油価格の持ち直しの動きが進むことが期待されます。
(※上記は過去のものおよび予想であり、将来を約束するものではありません。)
(2015年4月23日 日興アセットマネジメント作成)
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