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愛(Ai)はクリエイティブを救う? - アドビ、Illustratorを全力で特集する24時間イベントを開催

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愛(Ai)はクリエイティブを救う? - アドビ、Illustratorを全力で特集する24時間イベントを開催
●Illustratorに特化した「24時間イベント」
アドビ システムズは24日、東京都・渋谷ヒカリエ(ホールA)にて、同社のグラフィックソフト「Illustrator」を特集する「24時間Illustratorスペシャルイベント」を開催した。

「24時間Illustratorスペシャルイベント」は、「24時間Illustrator『愛(Ai)はクリエイティブを救う』」に連動したリアルイベント。ヒカリエでの催しは終了しているが、"Illustrator愛を語り合うイベント"として、Ustreamの24時間配信を軸に、25日午前1:00現在も展開されている。

同社が主催したイベントの中で、Illustrator単体を取り上げるのは異例で、同社Illustrator担当の岩本崇氏によればおそらく初めての試みとのこと。今回は、リアルイベントの中で展開されたゲストセッションの模様をお伝えする。

オープニングに登場した岩本氏は、Illustratorのカラーであるオレンジに白のペイントで彩られた、毎年夏に放送されるあのテレビ番組を思わせるオリジナルデザインのTシャツを身につけて登場。リアルイベント開始前よりUstream配信が開始されていたこともあり、同社初の試みを楽しんでいきたいと、24時間走りきる抱負を語った。

○「漫画の装丁」に特化したデザイン事務所での使用例

「相思相Ai ― バージョン変えちゃう春かもね!」と題されたゲストセッションに登壇したのは、漫画の装丁を専門に手がけるデザイン事務所「ナルティス」の代表取締役/アートディレクターの新上ヒロシ氏。
Illustrator自体のインタフェースを取り込んだ遊び心のある自作のスライドや事務所の写真を公開しつつ、同社の仕事風景を紹介するところからセッションはスタートした。

新上氏の「イラレ歴」は20年と、その黎明期からのつきあい。デザイン、イラストレーション、建築など多様な利用ケースがあるIllustratorだが、サイクルの早い漫画の装丁デザインにIllustratorは欠かせない存在であるという。

装丁というと文芸作品で注目されるイメージが強いが、その場合、著者と表紙に用いられる挿絵の描き手は異なる。しかし、漫画の単行本などの装丁は、「著者自身が装丁の絵を描くところ」が、文芸の場合と大きく異なるという。漫画家自身で素材となる絵は生み出せるが、デザイン面について任されているという点で、新上氏は「(漫画家の方には)美容院に来るような感覚で、弊社に来ていただいていると思っています」と例え、安田弘之氏の「ちひろさん」3巻を例に、ラフと完成版の比較を披露した。

線画の支給を受けて着色をするというフローでデザインされたふたつの装丁を比較する場面も。「ちひろさん」以前に手がけた「あそびあい」(新田章氏)の装丁では、パスでイラストの塗りの範囲を指定していたが、ちひろさんでは、線画から選択範囲で塗る部分だけベタを作り、多色刷りのようにして仕上げたという。
これは、デザイン業務の場合はあまりなじみがないが、漫画のデザインでは二値化したモノクロデータを扱うことが多いのでそこからヒントを得て試行した手法とのことだ。

●新機能に追いつけない!
○CCからの最新機能を壇上で直接プレゼン

このセッションにゲストとして招かれ、事例を紹介した新上氏だが、実は冒頭の業務紹介にて「イラレのアップデートについていけていない!」と暴露していた。実務では漫画週刊誌などのサイクルが非常に短い仕事も多く、業務の間に新機能を取り入れる機会をなかなか得られないのだという。

そこで今回のセッション登壇に際して、CS6からCCへとバージョンアップを実施し、その上で何と壇上で、岩本氏からCCならではの新機能の紹介を受けるという異例のプレゼンテーションが披露された。

ナルティスから提供された実際の単行本の装丁データを元に、最新機能を使ったデモンストレーションが進行された。文字を使ったアートワークの例として、これまではアウトライン化して配置していたところを、Illustrator CCで登場した新機能「文字タッチツール」で作業すると、テキスト属性を保持したまま拡大や配置換え、回転できる。

壇上の新上氏が「印刷所によっては過去のバージョンに保存し直す必要があるのですが」と不安を述べると、「テキスト属性を保持したまま、バージョンダウンしたファイルでも保存できます」と回答するなど、ソフトメーカー側と現場側とのリアルなやりとりが垣間見える場面もあった。

このほか、角丸ツールで角の丸め方を数値ではなくドラッグで調整できる「ライブシェイプ」機能や、パスが切れているところをなぞるとつなげられる「連結ツール」も紹介。
加えて、iPhoneやiPadのカメラで撮影したものをベクターデータとしてIllustratorに取り込めるアプリ「Adobe Shape」の実演も実施された。新上氏は新機能の解説に聞き入ったのち、「これからもいいツールとして育っていってください」と語り、場を締めくくった。

なお、リアルイベントは幕を閉じたものの、現在もUstreamにおける24時間配信は実施中。リアルイベントでIllustratorのスペシャリストたちが妙技を競った「Ai-1 グランプリ」の番外編をあさ4:00まで配信中。その後も効率アップのためのプラグイン&デバイスの紹介(あさ6:00~7:00)など、Illustratorに関する話題を24時間展開している。今後の配信スケジュールは、同イベントの特設ページを確認してほしい。

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