生き物たちの驚きの能力に迫る (2) 「世界最大」で「世界一臭い」花を追い求めて20年! - 写真家 山口進氏
生き物の中には自然の中の生態がまったく知られていない生物もある。たとえば高さ約3mもあり「世界最大の花」として知られる「ショクダイオオコンニャク」。2014年には国立科学博物館 筑波実験植物園で咲いたことで話題になった。
世界一大きく、世界一「臭い」花であるとともに、約7年に一度しか咲かず、しかも2~3日でしおれる短命な花でもある。写真家の山口進さんは、このショクダイオオコンニャクを追い求めて約20年間、インドネシアのスマトラ島を旅してきた。その間、花を見たのが8回、開花を見たのが4回。発見が世界一難しい花でもあるのだ。「幻の花」を探し当て、撮影に至る過程は執念に近いといっていい。
3月22日に行われた自然科学研究機構のシンポジウム「生き物たちの驚きの能力に迫る」では、山口さんが撮影した豊富な写真とともに、どのように花を探して当てたか、開花の様子やニオイはどうだったのかなど、開花の瞬間に立ち会った山口さんならではの臨場感あふれる話や写真が観客の興味を引きつけた。その内容を紹介する。
○現地語で「死者の花」。忌み嫌われる花
ショクダイオオコンニャクのことをスマトラ島の住民は現地語で「ブンガ・バンカイ」