くらし情報『シリコンバレー101 (612) データが伝えるベースボールの面白さ、MLB観戦を変える「Statcast」』

シリコンバレー101 (612) データが伝えるベースボールの面白さ、MLB観戦を変える「Statcast」

シリコンバレー101 (612) データが伝えるベースボールの面白さ、MLB観戦を変える「Statcast」
阪神やサンフランシスコ・ジャイアンツなどで活躍した藪恵壹投手がメジャーリーグ時代を振り返ったインタビューで、最も印象に残った投手として、SFジャイアンツのティム・リンスカムを挙げていた。リンスカムは公称5’ 11"(約180センチ)と、メジャーリーグ投手の中では小柄だが、2009年当時はメジャーで最もハードなボールを投げ込んでいた。日本人プロ投手と変わらない体格で、技巧派ではなく、速球派として三振の山を築くリンスカムのピッチングは、まるで野球漫画の主人公のようで、剛球が生み出されるメカニクスを不思議に思ったものだ。でも、今ならその謎がゲーム中継の解説で明らかになる。

MLBが、今年から「Statcast」をレギュラーシーズンの実況・解説にも導入し始めた。Statcastは、高解像度の光学カメラとレーダーを用いて、すべての選手とボールの動きをトラッキングし、収集したデータを実況・解説に適した形ですぐに利用できるようにしたものだ。データをもとに選手のパワーやスピード、技術、チームの戦略などがリアルタイムで分析され、これまではわからなかったメジャーリーグのスゴさや工夫をテレビの視聴者が発見できる。

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