くらし情報『名大、分離技術のジレンマを解消する技術を開発』

名大、分離技術のジレンマを解消する技術を開発

名大、分離技術のジレンマを解消する技術を開発
名古屋大学は4月27日、ナノピラー構造体を用いた新しい分離技術を用いることで、物質を素早くかつ綺麗に分離することに成功したと発表した。

同成果は同大学大学院工学研究科の馬場嘉信 教授、加地範匡 准教授、安井隆雄 助教によるもので、国際学術誌「Nano Lett.」に掲載された。

現在の分離技術は、分離のスピードを上げると分離度(分離の綺麗さ)が悪くなり、分離度を高くするとスピードが下がるという課題がある。これは、既存の技術では化学的・物理的な相互作用の違いによって分離を行ってきたことが原因と考えられている。

今回の研究では直径が500nmのナノピラー(柱状の構造体)を回廊のように配置する技術を構築。この技術を用いると、分離スピードを上げれば上げるほど、分離度が良くなることを発見した。

同研究グループは「本技術を展開することによって、さまざまな分離技術の『分離スピードと分離度の綱引きのような状態』を打破することが可能となり、我々の生活を抜本的に改善する科学技術へと発展することが期待される」とコメントしている。
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