筧利夫が見た『パトレイバー』の世界、そして後藤と後藤田の違い「押井監督が望む上司像がわかった」
●部隊の中の非常勤講師な感じだった
アニメ作品の実写化は、ファンにとって期待よりも不安が勝ることが多い。あの『機動警察パトレイバー』が実写化されると知った時も、そう思ったオールドファンは少なくなかっただろう。特に今回の『THE NEXT GENERATION パトレイバー』では、アニメ版から代替わりをした次世代の人物たちを据えながら、名前や立ち位置がセルフパロディーともいえる設定になっているため、過去の作品を知るファンはどうしてもその印象を引きずらざるを得ない。
しかし、そんな思惑をよそにキャストたちはシリーズ中で独自のキャラクター像を作り上げ、実写版パトレイバーの世界を描き出していった。過去の記憶に引きずられるべきでないと気付かされたのは、見ている我々の方だったのかもしれない。だが、そうやって過去の作品から距離を作っておきながら、シリーズの締めくくりとなる長編劇場版『THE NEXT GENERATION パトレイバー 首都決戦』(以下、『首都決戦』)で我々はシリーズを象徴する劇場作品『機動警察パトレイバー 2 the Movie』(以下、『パト2』)の再来を見ることになる。
筧利夫演じる特車ニ課隊長・後藤田継次は、ここを繋ぐキーパーソンとなっている。