『パト2』と実写――二つの線の重なりに押井守監督は何を映したか「パト2と現在の差分を描くことがテーマだった」実写版『パトレイバー首都決戦』
三人だったり三機だったり、三カ所だったり。そういうところは、割といろいろ考えているんです。
――今回の作品がシリーズ13本+長編1本という形になった理由は?
最初から決まっていた。監督からすれば、シリーズを通してキャラクターを固定できて、お客さんがある程度中身を分かった上で(長編を)やるというのは、当然有利だから。最初に長編をやって後からシリーズをやるのは、アニメのパトレイバーがそうだったけど、通常はあり得ない。だから、ごく自然と決まった。
●『首都決戦』がアニメだったとしても同じことをやった
――シリーズ13本の積み重ねがあっての長編なんですね。
もちろん。
その方がはるかに作りやすいです。インフラができるから。道具や衣装というところ以外に、役者さんのインフラができる。自分の役をつかんだ上で映画に入れば、どんな違う部分を見せるか、という上乗せが効きます。○『パト2』と現在の"差分"
――『パト2』は、東京で戦争を起こすことを徹底的に思考実験して組み上げたとのことでしたが、今回の『首都決戦』は現在の東京で再度それを行われたのでしょうか?
いや、全然逆ですね。『パト2』の続編であって、リメイクでもリニューアルでもないんです。