『パト2』と実写――二つの線の重なりに押井守監督は何を映したか「パト2と現在の差分を描くことがテーマだった」実写版『パトレイバー首都決戦』
『パト2』で起きたクーデターの16年後の世界。その16年の間に何が変わったのか、どう変わったのか、何が変わっていないのか。16年経っても変えてはいけないものが果たしてあるのか。いわば"差分"です。
最初から言っていますが、今回はその差分そのものを描くことがテーマ。ストーリーも変える必要がないんですよ。だからほとんど変わっていない。それに付き合っている人間たちが変わったんだという部分を中心に描いています。
クーデターを起こすプロセスとか、展開のダイナミズムのようなものはやっていません。『パト2』ではそれを丹念に描いた。だから方向性は全く逆なんです。
それはやはり16年経ってテーマが変わったから。同じようなシチュエーションで、アニメでやったことを映画で作り直したものでしかないわけ。(『首都決戦』が)アニメだったとしても同じことをやったと思う。
繰り返すけど、何が変わっていないのか、何が変わったのか。変わっていいものと変わっていけないものは何なのか。
それが全て。骨はそういうことです。後はみんな、映画としての"お肉"ですね。アクションだったり、キャラクターだったり。
――『パト2』の続編として作ったのはなぜですか?
最初からそう決めていたし、プロデューサーの要望でもあったので、利害が一致したんです。