『パト2』と実写――二つの線の重なりに押井守監督は何を映したか「パト2と現在の差分を描くことがテーマだった」実写版『パトレイバー首都決戦』
多分、(プロデューサーが)『パト2』を好きだったのかな。パトレイバーではいくつもアニメーションを作ったけど、どれが好きか10人に聞いたら6人は『パト2』と言うと思う。作った当時はコテンパンに言われたけどね。ただ、何年か経つとパトレイバーというと『パト2』になっちゃった。
だから『パトレイバー』をちゃんと作ろうとした時に、全く(『パト2』と)無関係に違う事件を起こすか? と。特車ニ課は警備部だから、犯罪捜査はしないし、できない。犯人を逮捕する組織ではなくて、社会的な犯罪、テロと戦う組織なんですよ。その最大限のものがクーデターです。
(『首都決戦』では)そういう意図はないけど、少なくとも国を根底から揺るがす、考えうる限り最大限の犯罪です。――『パト2』ではバックボーンとしてPKO協力法案の成立が描かれたり、毒ガスの飛行船が地下鉄サリン事件を思わせるなど、図らずも当時の時代を先読みしていた部分がありました。今回も昨今の無差別テロを思わせる描写が見られましたが、そうした時代性を取り入れることについてはどうお考えでしたか?
それしか考える事はなかったよね……。今回はより一層テロの要素が前面に出ています。