富士通研、プログラムに記述した業務ロジックの複雑度を可視化する技術を開発
富士通研究所は5月1日、複雑で大規模な業務アプリケーションから、業務ロジックの複雑度を可視化する技術を開発したと発表した。新技術により、アプリケーション資産を簡易的に分析するだけで業務ロジックを可視化できるという。同社によると、同種の技術の開発は世界初とのこと。同技術は2016年度の実用化を目指し、さまざまな業種や多様な言語の業務システム分析に適用・検証していく意向だ。
企業で運用している業務アプリケーションは長年の開発保守により複雑化していることが多く、機能強化や改善などビジネスの環境変化に即した迅速な対応が難しくなっているという。とりわけ業務アプリケーションの機能追加などで必要となるアプリケーションの実態把握において、特に他社が開発保守したプログラム資産を活用する場合は、人手による分析が必要で多大な時間を要することから、重要な課題になっているとのことだ。
しかし、従来はプログラムの大きさや条件分岐の数の多さなどから比較的重要な部分を見極める際、業務に関係する処理を実行する業務ロジックとプログラム間のデータ共有や形式チェック処理などを実行する制御ロジックとの区別は困難だったという。
新技術は、業務ロジックをプログラムの記述から自動的に識別する技術と、業務ロジックの複雑度を場合分け数などの指標で定量化する技術からなる。