10分でだいたい分かるMicrosoft Build 2015(2日目)まとめ
Microsoftが2015年4月29日(現地時間)から開催中の開発者向けカンファレンス「Build 2015」。開催2日目のセッションなどで発表された新テクノロジーや製品に関する最新情報から、キーポイントを取り上げる。大きなトピックは、新Webブラウザー「Microsoft Edge」のベンチやDirectX 12のデモだ。
○新Webブラウザー「Microsoft Edge」のベンチマークを公開
2日目となる基調講演の最初に登壇したのは、Developer Platform&Evangelism担当CVPおよびチーフエバンジェリストのSteve Guggenheimer氏と、Developer Platform担当CTOおよびテクニカルフェローのJohn Shewchuk氏。Windows app上のデジタルドラムマシンを鳴らしながら、応答を実現するためのコードを説明していた。
続いて登壇したOSG(Operating Systems Group)担当CVPのDavid Treadwell氏は、Universal Windows Platformの概要として、さまざまなデバイスでWindowsが動くという従来の説明を繰り返した。また、初日に発表したWindowsストアの刷新や、アプリケーション開発者のマネタイズにつながることもアピール。
興味深いのは、同じく初日発表の新Webブラウザー「Microsoft Edge」のベンチマークである。
Microsoft Edgeは現在のWeb標準技術に対して、インターオペラビリティ(相互運用性)の向上を実現し、その数は4,200を超えるという。性能面においても、他のWebブラウザーに勝るベンチマーク結果を発表した。
ベンチマークの測定環境などを詳しく述べていないため、そのまま受け入れることはできないものの、関係者はMicrosoft Edgeの性能に自信を持っているのだろう。
●期待が集まるDirectX 12のデモンストレーション
○期待が集まるDirectX 12のデモンストレーション
この他にも機械学習などの話も出たが、ここでエンドユーザーに身近な話題として、DirectX 12のデモンストレーションを紹介する。NVIDIA GeForce GTX TITAN X 4-way SLI環境のシステムにWindows 10をインストールし、その上でスクウェア・エニックスの「WITCH CHAPTER 0 [cry]」を披露した。
プレレンダリング&リアルタイムCGを研究してきたスクウェア・エニックスは、自社製ゲームエンジン「Luminous Studio(ルミナス・スタジオ)」に組み込み、今後のゲーム開発に活用すると述べている。
○Windows 10のXAMLの深い関係
さて、今回は興味深いセッションに関してもいくつか取り上げてみよう。Windows 10はXAML(Extensible Application Markup Language)をUIフレームワークとして、Windows 8.x以上に活用している。
スタートメニューのタイル自身やライブタイルのアニメーション効果などがよい例だろう。
「What’s New in XAML for Universal Windows Apps」というセッションでは、XAMLのコントロールに関する使い方を紹介していた。例えば、確認ダイアログをXAMLで記述すると下図のように置き換わる。テキストボックスもIMEと連動したサジェスト機能を備えるようになり、キータイプの手間を大きく省きそうだ。
XAMLベースのUIはPC上のWindows 10だけでなく、Windows Phoneデバイスなど大きさの異なるデバイスでの動作も前提に入れなければならないため、従来のように「PCならでは」の操作性を求めるユーザーは、新たなUIに多少の慣れが必要となるかもしれない。
阿久津良和(Cactus)