ユーザーが、より安全にネットを楽しめるように - セキュリティベンダー「ESET」のCEOに聞く製品戦略
○国内市場で3位を狙う
ESETは、もともとスロバキアで生まれたセキュリティ企業で、設立は1987年と古い。中欧や東欧で強く、グローバルでも世界に拠点を構えている。その中でも日本は「重要な市場」とマルコ氏。各国の事情に合わせるため、販売戦略としてはパートナーシップを重視しており、日本ではキヤノンITソリューションズと2003年以来のパートナーだ。
特に2005年の価格.comのサイト改ざん事件の際に、唯一マルウェアを検知した(当時の名称はNOD32)として知名度が上昇し、過去5年間では2ケタ成長というほど順調だという。
成長率は市場を伸びを上回っており、このままの成長を継続させることで、現在の国内4位のポジションから3位への上昇を狙う。
そのひとつが今回の法人向け新製品だ。すでにグローバルでは個人向け製品と法人向け製品の売上比率は半々で、わずかに法人向けが上回っている状況だという。
法人市場では、「長期に市場にプレゼンスがある方がビジネスユーザーが多い」と分析しており、個人向け製品で地道に知名度を上げ、そこから法人市場を拡大させるという戦略を描く。
今回の新製品の投入で国内の法人市場を「エネルギッシュに攻めていきたい」とマルコ氏は意気込む。
アジア太平洋地域では売上の半分以上を日本が占めるが、これに加えてオーストラリアにオフィスを開設して拡大を狙うとともに、欧州ではドイツやイギリス、そして北米では今年か来年には東海岸にもオフィスを開設してさらなる成長を目指していく方針だ。
○性能と安定性に自信
ESETのマルウェア対策は、価格.comサイトでも威力を発揮した振るまい検出のヒューリスティック技術だが、それに加えて「一度インストールしたあとは安心して、安定して使える安定性が強み」とマルコ氏はアピールする。
また、ヒューリスティック技術を磨くだけでなく、「複数の層で、複数のポイントでプロテクションをかけなければならない」とマルコ氏は話し、さまざまな観点からセキュリティ対策を提供していくという。
その中で、「微妙な振るまいの違いを見いだす」(同)ことを目指した技術が「Exploit Blcoker」だ。
これは、特定のソフトウェアが「やっていい動作、やってはいけない動作」を監視してマルウェアの動作を検出するというもの。例えば、Microsoft Wordであれば、ドキュメントファイルを開くという動作に対して、「コード実行」や「ファイルダウンロード」といった動作を検出し、動作をブロックするという。
対応ソフトウェアは、Office製品やPDFリーダーなど複数のソフトウェアに限られるが、マルコ氏は「あらゆるソフトウェアに拡張は可能」と話す。これは、ユーザーが期待する正常な振るまいと危険な動作が推測できていないと正確な対応ができないため、特に攻撃に狙われているソフトウェアに限定して監視を行うためだという。
ほかに、新しい問題としてはスマートフォンがある。スマホ向けの攻撃をマルコ氏は「Windowsほどではないが増えてきている」としつつ、「マルウェアがこれから活動するスペースとしてさらに拡大する」と指摘し、注意を促す。これと平行してIoT(モノのインターネット)でもセキュリティ対策の必要性が話題になり始めている。
マルコ氏は「IoTはマーケティング用語」としつつ、直接IoT機器にセキュリティ機能を搭載しづらいことから、「ゲートウェイで保護するのか、ソリューションが限られている」とコメント。デバイスメーカーとも協力して、セキュリティ機能を構築していく意向だ。また、同社のChief Research OfficerもIoTのメーカーなどのグループに参加し、セキュリティの標準化に向けた取り組みを始めている。こうした業界全体での取り組みでは、サイバー攻撃に対する複数のセキュリティベンダーや各国政府と協調した取り組みも実施しているという。
マルコ氏は、ESETの製品はヒューリスティック技術や新しいExploit Blockerといった技術力に加え、安定性の高さを繰り返しアピール。また、法人向けでは多言語対応も強くアピールしており、使い勝手の良さも優位点にあげる。
「競合他社の強みは何か、その強みから何かインスピレーションを得て、我々に欠けているものを研究して、それよりよいものを提供する」とマルコ氏。「ユーザーがより安全な世界を楽しんでもらおうというビジョン」を達成するために、今後も継続的にセキュリティ機能を強化していく考えを示している。
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