キャリアななめ斬り! (57) 落ちないための小論文
最近、小論文の書き方を聞かれる。小論文は感想文とは違う。感想や経験など自分が思ったことや体験を書くものではない。ある事柄について自分の意見やそのように自分が考えた理由を書く。
○出題者の意図を想像する
感想文の「◯◯だった」「◯◯だと思う」「◯◯して楽しかった」という表現に対して、小論文は「私は◯◯だと考える(という意見を持つ)」「なぜならば……」「◯◯だからである」など論理的な根拠を必ず書く。
小論文の場合、作文や感想文と違い「自由に何でも書いていい」というケースは少ない。必ず何らかの「お題」が与えられる。関連資料が添付されている場合も多い。
まず、出題者がなぜ、この「お題」と「資料」を与えたのか、客観的に読み(汲み)取れるといい。
例えば「環境問題」に関する「お題」が出されたとする。
「環境を守ることは大切だ」「自然環境を守ろう」という「一直線」の小論文を出題者は求めていない。そこには思考の葛藤がないからだ。環境保護が大切なことはもっともだ。しかし、環境保護を促進することで経済の発展が損なわれるかもしれない。「出題者はこの両面について最低限書いてもらいたいと思っているだろう」