お金も手間もかけずに人生を面白くするヒントとは - 『たった1日で人生を300倍面白くする方法』
を紹介するためにわざわざ哲学を持ちだしている理由もこの点にある。
哲学と聞くと、難解な用語を駆使してとにかくわかりづらいというイメージを抱く人もいるかもしれないが、本書に関して言えばその心配は不要だ。哲学者の思想に触れる場合も読者に哲学の知識がないことを前提として書かれているし、各節の末尾には関連する哲学者やその思想について図付きで簡単な紹介までついている。本書で興味を抱いた哲学者や思想があれば、これを最初のステップにして他の本も色々と読んでみるというのもよいだろう。
○「自分が今置かれている状況」をいかに楽しく捉えるか
本書で紹介されている「人生を面白くする方法」は、いずれも自分が今置かれている状況を「変える」のではなく、「捉え直す」ことに主眼が置かれている。新しい刺激を求めたり、環境を変えることは退屈な日常を打破する方法としてはもっともシンプルなやり方だが、これらの効果は時間が経過するにつれて薄くなっていく。「どんな状況に置かれていても捉え方次第で面白くできる」と言い切ってしまうのは個人的には言い過ぎだと思わないこともないのだが、捉え方を変えることでラクになるケースがたくさんあることは事実だ。