人に聞けない相続の話 (10) 親身に世話をしてくれた長男の妻への感謝の方法
連載コラム「人に聞けない相続の話」では、相続診断協会代表理事の小川実氏が、その豊富な実務経験をもとに、具体的な事例を挙げながら、相続の実際について考えていきます。
【ケース10】
義理の母親は20年ほど前から私たち夫婦と同居し、2人の孫とも一緒に暮らしていました。
義理の父は10年前に亡くなっています。
義理の母親は5年ほど前から、体の調子が思わしくなくなり、家事は義理の母親の長男である夫と、その妻である私にすべて任せていました。
他家に嫁いだ長女(夫の実の妹)より親身になって、実の母親のように献身的に面倒をみたつもりです。
その義理の母親も先日亡くなりました。
私は何も相続することはできないのでしょうか?
【診断結果】
○母親の面倒は長男家族任せにした長女が「お義姉さんには関係ない」
過去に実際にあった事例です。
母親が死亡し、相続人は同居していた長男と他家に嫁いだ長女の2人。
母親は、数年前から体調が悪くなり、加えて軽い痴呆も始まり、大変手間がかかる状態でしたが、長男とその妻が献身的に面倒を見ていました。
他家に嫁いだ長女は、ほとんど実家に帰る事もなく、母親の面倒は長男家族任せにしていました。