足元の原油価格の動きとMLPの動向
エネルギー関連事業には、「川上」「川中」「川下」の3つの事業があり、大半のMLPは輸送や貯蔵を担う「川中」に位置づけられます。川中事業は本来、景気や原油価格のマイナスの影響を受けにくい収益構造となっているものの、原油価格の急落を受けた投資家心理の悪化から、MLP価格も昨年秋頃から不安定な動きとなっていました。しかしながら、直近の決算において、MLPは川中事業を中心に概ね良好な決算内容を示しており、S&PMLP指数の構成上位20銘柄(指数時価総額の約76%を構成)の中で配当公表済み(5月1日時点)の17銘柄においては、前期と同額だった1銘柄を除き、全て増配となりました。このように、原油価格が低迷する中でも底堅い決算内容となったことも、投資家に安心感を与えたと考えられます。
EIAでは、WTI原油先物価格は2016年にかけて上昇すると見ていますが、原油の供給過剰に対する警戒感は根強く、米国の原油在庫の状況やOPEC(石油輸出国機構)の生産動向、中東における地政学リスクなどの影響を受け、原油価格は引き続き不安定な値動きとなることも予想されます。
MLP価格もその影響を受ける可能性はあるものの、世界的な低金利環境において、MLPの配当利回りは依然として魅力的な水準とみられることや、好業績による投資家の信認回復の動きなどが、今後のMLP市場を下支えするものと期待されます。
(※上記は過去のものおよび予想であり、将来の運用成果等を約束するものではありません。)
(2015年5月8日 日興アセットマネジメント作成)
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