フィル・スペクター死去 ぶ厚いサウンドの壁が墜ちた
プロデューサーが曲作りまでやるなんて……。
ポール・マッカートニーは「ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード」のオーバープロデュースを嫌ってフィル・スペクターとは仕事をしなかったが、ジョージ・ハリスン、ジョン・レノンはソロでもフィルを起用している。ジョージ好きの僕としては「オール・シングス・マスト・パス」の共同プロデュースにより、ジョージの溢れる才能をよりゴージャスなサウンドに進化させてくれたことに感謝です。
特に「マイ・スウィート・ロード」のぶ厚い12弦のイントロ、ジョージの3声以上のコーラス、曲半ばの転調から入るバスドラ、タムの深いリバーブは聴いたことがない重厚感があった。痺れました。
こちらもフィル・スペクター、ジョン・レノンによる共同プロデュース作品。ヴォーカルに掛かったショートエコーが印象に残る。リンゴ・スターの淡々としてシンプルなドラムもいい。
何よりもジョンの悲痛とも思える叫びが耳に残る。アルバム「ジョンの魂」に納められた「マザー」
強烈な人生を送った巨人が消えました。
60年代初頭のレコーディング技術の未発達な時代に、重厚なサウンド、オーケストレーション、多彩なエコー・リバーブで未体験の音を作り出したフィル・スペクター。偉大なプロデューサーのご冥福をお祈りします。
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