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独断と偏見で選ぶオススメルーターはコレだ! - Wi-Fiルーターの選び方(第4回)

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独断と偏見で選ぶオススメルーターはコレだ! - Wi-Fiルーターの選び方(第4回)
●エントリーモデルの選び方
前回、前々回では無線LANルーターの最新規格、IEEE802.11acについて解説したが、販売店では非常に多くのルーターが並んでおり、どれを選べばいいのか迷ってしまう。そこで、今回は筆者の独断と偏見に基づいた選択基準を紹介しよう。

○エントリー機器は11n対応も考慮して

11ac対応のルーターは2年ほど前から出ており、現在販売中の製品の多くは11ac対応だ。しかし11acという通信規格にはオプションが多いため、製品のバリエーションは非常に広い。

価格だけで選べば433Mbpsの通信速度に対応したエントリーモデルが、5,000円を切る程度から購入できる。確かに433Mbpsでも11nに比べれば1.4倍程度の高速化が実現しているのだが、433Mbpsではアンテナは1組だけで、MU-MIMOやビームフォーミングといった11acの魅力的な機能は利用できない。

また、11nでの通信速度にも気をつけたい。エントリーモデルでは11nで150Mbpsしか出ない製品があるのだ。
まだまだ数多く残っている11ac非対応機器、特に11nのことを考えると、300Mbps出る製品を選んでおきたい。

エントリーモデルを選ぶ意味があるのは、たとえばアパートなど使用する場所が狭く、所有する11ac対応機器がiPhone 6など433Mbps止まりで、その他の機器もそれほど多くないというような状況が考えられるだろう。それ以外であれば、ミドルレンジ以上の機器を選択したい。

なお、ホテルなどのLANを無線化するためのポータブルルーター(モバイルではない)も登場しており、こちらは11ac対応でもさらに安く、3,000円前後から購入できる。こうした製品はホテルの部屋の中で使えればいいため、電波の出力や処理能力も思い切って割り切っており、自宅などで恒常的に使うには向いていないことは覚えておこう。

●ミドルレンジ以上の選び方
○ミドルレンジからは機能性を重視

通信速度が867Mbps以上のミドルレンジ機器については、アンテナが2組の2×2 MIMOを採用しており、11nでも2.4GHz帯、5GHz帯ともに300Mbpsに対応する製品がほとんど。価格帯は1万円前後からと比較的購入しやすく、多くのユーザーはこのレンジの製品を選べばいいだろう。ミドルレンジの製品以上はアンテナが複数組あったり、処理能力がエントリーモデルよりも高いことから、MU-MIMOやビームフォーミングといった11acならではの機能をサポートしていることも多い。
こうした機能に対応しているかどうかを事前にチェックしておこう。

通信速度が1.3Gbps以上のハイエンド製品に関しては、ノートPCなど3×3 MIMO製品が多い環境や、接続する機器が多い環境でMU-MIMOなどを有効活用したい場合に選びたい。ハイエンド製品は電波の出力も高いものが多いため、一軒家など広い場所で使いたい場合にも有効だ。

ハイエンド製品は1万円台後半からの価格帯になるが、一度購入すれば規格が大きく変わるまでの数年は使うものだけに、思い切って上の価格帯を狙うのも、ひとつの選択肢だ。このクラスでケチケチしても仕方がないので、最上位機種の指名買いもアリだ。

なお、最近プロバイダー等からレンタル等の形で配布されるようになったルーターにも、11ac対応のものが増えてきている。たとえば現在フレッツ光のギガビット対応サービスで使われているホームゲートウェイは1.3Gbps対応の11ac対応ルーターなので、改めて購入し直す必要はない。逆に、1年以上前から使っているルーターであれば、ほとんどが11n対応止まりのはずだ。


●クライアント側の対応状況を確認
○クライアント側も再確認

11ac対応のルーターに切り替えるにせよ、クライアント側が対応していなければあまり意味がない。11ac対応機器はどれくらい増えているだろうか?

まずiPhoneでは、最新のiPhone 6/6 Plusが11ac対応だ。ただしMIMO対応ではないので、リンク速度は最大で433Mbps止まりだ。WPSやAOSSには対応していないが、最近はアプリで簡単接続できるものが増えている。

Androidスマートフォンでは2013年の夏モデルから11ac対応のものが増えている。ただし、2×2 MIMOに対応しているのは昨年秋モデル以降のハイエンド製品からの対応だ。一方、SIMフリー端末として販売されているミドルレンジクラスの場合、11ac対応の機種は、発表されたばかりのZenFone 2以外存在していない(ZenFone 2は価格帯以外はハイエンドと言っていいが)。

タブレットの場合、iPad Air 2が11ac対応で、最大867Mbps(2×2 MIMO)に対応。
AndroidタブレットではNexus 9やXperia Z3 Tablet Compactなどが11acおよび2×2 MIMOに対応している。Android派生も含めれば、Kindle Fire HDX 8.9(2014年モデル)も11acの2×2 MIMO対応だ。

一方ゲーム機やAV機器では、11ac対応の製品はまだ存在しない。こうした機器を11acに対応させるためには、イーサネットアダプタ、あるいは子機と呼ばれるものを有線LANポートに接続すればいい。ルーターには子機が同梱されている製品もあるので、よく選んでみよう。

モバイルルーターに関しては、ドコモのLTE-Advanced対応と、au/UQのWiMAX 2+対応製品がそのまま11ac対応モデルになっている。いずれも433Mbpsまでの対応だ。現在利用中のルーターが11ac非対応の場合、急いで切り替える必要はないが、2年縛りが終わるなどして、機種変更できるタイミングになったら、最新の端末を選ぶといい。
MVNO向けの、SIMロックフリーのルーターについては11ac対応機種が登場しているので、これを選ぶといい。

無線ルーターは数年単位で使う機器なので、なるべく上の規格をサポートしたものを選んだほうが、結局は長く使え、トータルでは安上がりだったということも多い。将来のことも気にかかるが、11acの「次」の規格の登場はまだ当分先になるはずなので、今は11acのことだけ考えておけばいいだろう。

次回は最終回として、無線LANを使う上での注意事項について紹介したい。

(記事提供: AndroWire編集部)

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