東京都・吉祥寺で日本の菌類画の第一人者による緻密で鮮やかな「きのこ」展
同展では、約30年もの間、山野に通って「きのこ」を探し、絵に描く、という暮らしを重ねてきた小林路子が、自身の約850点もの作品の中から厳選した、多種多様多彩な菌類画70点を公開している。
小林が「きのこ」と運命的な出会いを果たしたのは、1986年に刊行された書籍『キノコの不思議』(森毅編、光文社)の挿絵の仕事がきっかけ。以降、その魅力にとりつかれ、さまざまな「きのこ」と出会い、その一体一体と忠実に向き合うことで、緻密で類まれなる「きのこ」画の世界を築き上げた。
現在では、日本の菌類画の第一人者ともいえる存在となり、長年の観察と蓄積された知識にもとづくその描写は学術界からも認められている。植物・菌類図譜の世界的コレクションを誇るイギリスのキュー王立植物園にも作品の一部が収蔵されている。