巨人Intelに挑め! - 80286からAm486まで (1) AMDとIntelの確執の起源
さて、第1シリーズで書いたK7 Athlon 1GHzの発表から一気に時代を25年さかのぼる。 と言うことは現在から40年も前の話だ。この連載を書くと決めた時、K7の件についてはどうしても書きたかったが、水泳をしているうちに、是非とも記しておきたいドラマチックな話がどんどん思い出されてきた。だが、その話を断片的に語るより、ちょっとした歴史的な背景説明をしたほうがわかりやすいと思い、この第2シリーズを書くことにした。
それは、当時毎日のように「SanJose Mercury News(シリコンバレーのコミュニティー紙ともいうべき地方新聞)」のトップニュースを飾ったAMDとIntelの競争の歴史であり、PCの頭脳と言われるCPUの発展の歴史であり、ちょっと大げさかしれないけれど、日々競争に明け暮れ切磋琢磨してきたシリコンバレーの歴史そのものであると思う。
そこには、シリコンバレーのパワーの源であるエンジニアたちの飽くなき熱意があり、ビジネスを突き動かすための経営者たちのいくつもの勇敢な決断があった。そしてなにより、隆盛してゆく産業の得体のしれないパワーがあったし、そこに従事している者たちで共有していた興奮があった。