年収300万円からでも貯まる貯蓄1000万円への道 (2) 「月収=自由に使えるお金」ではありません
○1カ月に使えるお金の額を知る
知り合いの女性に、銀行口座の残高不足でクレジットカードの支払いができず、カード会社からちょくちょく通知がくる人がいます。彼女としては、毎月、給料が振り込まれる口座からカード払い分が引き落とされるようにしているので、残高不足になることはないと思っているのです。
しかし、残高不足の連絡が入ります。そのたびに、定期預金を解約して支払いに回し、せっかくボーナスを定期預金にしたのに、水の泡です。こうした"自転車操業"で、なんとかカードが使用停止になったり、ブラックリストに載ったりすることもなく、乗り切っているというわけです。
さて、彼女が自転車操業に陥る原因はどこにあるのでしょうか? それは、1カ月に自分が使えるお金の金額を把握していないことにあります。だから、「支出>月収」になってしまうのです。
そこでまず、1カ月に使えるお金の金額を知ることにしました。
月収―貯蓄―毎月の決まった出費=今月使えるお金
です。「月収=自由に使えるお金」ではありません。
彼女が見落としているのが、「毎月の決まった出費」。これは家賃、水道光熱費、通信費、保険料、習い事代など、毎月必ず出ていくお金です。月収から、まず先取り貯蓄を差し引き、さらに「毎月の決まった出費」を引いた残りが「今月使えるお金」です。
彼女の場合、その金額は8万円。思っていたより自由に使えるお金が少ないことに、ちょっとショックを受けていました。でもそれが肝心。
彼女は、初めて自分が"身の丈に合わないお金の使い方"をしている現実を知ったのです。
○削れる出費を見つけ出す
「今月使えるお金」がわかったら、その金額内に出費を抑えて"身の丈に合った暮らし"をする必要があります。それには、まず1カ月の出費の内容を知ることから始めましょう。
1カ月間、レシートを集める
レシートを食費や日用品費などの生活費、外食・交際費、ヘアサロン・ネイルサロン・エステなどの美容費、洋服・バッグ・靴などのおしゃれ費、雑誌・CDなど趣味費などに分類する
それぞれの合計額を算出する……という手順です。
そして、この合計額を「今月使えるお金」の金額内に収めます。オーバーする場合は、洋服はセールを狙って、ボーナスでまとめ買いする、毎月、買っている雑誌を減らす、飲み会の回数を減らすなど削れる出費を見つけます。出費合計=「今月使えるお金」にすれば、赤字になることもなく、カード会社から残高不足の連絡が入ることもなく、さらに貯蓄もできるというわけです。
<著者プロフィール>
村越克子フリーランスライター。
学習院大学文学部心理学科卒業。編集会社を経て、フリーに。主婦を読者対象とした生活情報誌を中心に執筆。家計のやりくりに奮闘する全国の主婦を取材し、節約に関する記事を数多く手がける。執筆協力に『綱渡り生活から抜けられない人のための絶対! 貯める方法』永岡書店など。
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