今年もそろそろ“熱中症”に注意が必要な季節になってきた。総務省消防庁のまとめによると、2010年以降、6月~9月にかけて熱中症で救急搬送された人の数は、2013年の5万8,729人を筆頭に、毎年4万5,000人から5万5,000人前後で推移している。2014年は若干低くなったものの、約4万人が救急搬送されている。
○熱中症の原因は?
そもそも熱中症とは、高温の環境下で体内の水分や、ナトリウムやマグネシウムといったミネラルのバランスが崩れたり、体内の調整機能が低下するなどにより発症する障害の総称。最悪の場合には死に至る可能性もあり、体温調節機能が未発達な乳幼児や、体温調節や発汗機能が低下している高齢者は特に注意が必要とされる。
熱中症が起こる主原因は、体内のミネラル分の不足。夏場は、気温とともに体温も上昇することから、人間の身体では発汗と血液を皮膚に集めることで、体外に熱を放出して体温を下げようとする機能が働く。しかし、その際に汗に含まれるミネラルが大量に失われてしまうことから、体は体内のミネラルの濃度を一定に保つために水分を減らすように働くため、血液量が減り、血液による脳への酸素供給が不十分となった結果、めまいやふらつきを引き起こすのだ。