飲むだけじゃない! 料理にも使えるライスミルクとは
“第三の牛乳”とも呼ばれ、欧米で健康志向の消費者の間でブームとなり、昨年あたりからは日本でもヒットの兆しを見せているライスミルクが、待望の“純国産”として登場し、発売前から注目を集めている。“第三の牛乳”と呼ばれる飲料だけに、牛乳代わりに飲むだけでなく、調味料としてやお料理にもさまざまに活用できる。そこで今回は、そんな商品を使ったアレンジレシピを試してみた。
○サムライスミルク&ライスミルクハイ
まずは、そのまま飲み物としてでありながら、プラスアルファで楽しむドリンクレシピ。中でもオススメはアルコールとのミックス。玄米が原料となっている和風の飲料ということもあり、相性がいいのはやはり日本酒と焼酎だ。
日本酒をライスミルクで割った“サムライスミルク”、焼酎をライスミルクで割った“ライスミルクハイ”をつくってみた。
どちらも似たような見た目だが、飲んでみると違いは歴然。原材料が同じものどうしだけに、やはり日本酒との相性は見事にマッチング。というか、そもそも同じものだった食材がそれぞれ違った製造工程を辿ることにより、別の飲み物に仕上がったが、合わせてみるとやはり出自が同じ、親戚どうしという感じがして、まったく違和感なく飲むことができる。ちょうど甘酒と日本酒の間の感じにミルキーさを加えたような味わいだ。
焼酎のほうは合わせる焼酎の種類にもよるが、今回はオーソドックスな麦焼酎をミックス。米×麦ということで、やはり異素材なアルコールテイスト。しかし、ミルク割に比べるとどちらも穀物由来どうしなので、調和する。
香りは焼酎だが、後味が日本酒のような感覚だ。
○ライスミルクパンケーキ
そして、次がスイーツ系のアレンジメニュー。パンケーキや蒸しパンといった小麦粉+膨張材でつくるスイーツに、ミルク代わりにライスミルクをミックス。玄米のほのかな甘みと酸味や香ばしさがプラスされて、食感の弾力性が高まる。
材料:薄力粉150グラム、ベーキングパウダー小さじ1、卵1個、砂糖10~20グラム、ライスミルク130ml
つくり方:薄力粉とベーキングパウダーを混ぜ合わせてふるった粉に、砂糖、ライスミルクを混ぜた卵液を加え、泡だて器で混ぜ合わせて生地をつくる。熱したフライパンで片面2~3分ずつ焼く。
玄米が原料のライスミルクを牛乳に代用するということで、焦げやすさを心配していたが、通常と変わらず調理できた。焼き上がりは、お米のおこげのように表面が微かにパリっとしており、中の生地はモチモチとした食感に。
ライスミルク自体に甘みがあるため、砂糖はお好みで。
○ライスミルク・スクランブルエッグ
最後にお料理の活用例としては、スクランブルエッグに生クリーム代わりにちょい足ししたメニューがオススメ。パンケーキや蒸しパンと同じような使い方だが、こちらもほどよい甘みと酸味が味を引き締め、生クリームのようにはこってりもせず、さっぱりとした味わいながらも卵の風味が増した、ちょっとリッチな味わいになる。砂糖も塩も調味料なしだが、ほんのり甘くて、後味がお米!という不思議な味。
材料:卵2個、ライスミルク100mlつくり方:耐熱容器に卵を割り入れてほぐし、ライスミルクと混ぜ合わせる。そのまま電子レンジで1分30秒~2分半程度加熱する。
電子レンジの加熱時間は、電子レンジのワット数などによっても異なるため、30秒ごとに中の様子を見ながら、卵が固まるまで加熱する。調味料を一切使用していないが、ライスミルクの自然な甘さとクリーミーさで、ふわトロなスクランブルエッグに。
口の中にお米の風味がほんのりと広がる。
○ライスミルク・サムゲタン
それから、ちょっと手の込んだお料理の一例として、“サムゲタン”をライスミルクで挑戦。
材料:鶏手羽元4~6本、長ネギ・ショウガ・ニンニク各適量、ライスミルク適量つくり方:長ネギ、ショウガ、ニンニクを入れた鍋で鶏手羽元を20~30分ほど水煮。その後、ライスミルクを適量入れて5分ほど軽く煮込み、塩・コショウで味を調える。
サムゲタンと言えば、通常はもち米を加えて煮るものだが、ライスミルクで代用。煮込まなくてもお米の香ばしさや風味、とろみはもち米を使用したときのように再現でき、サラッとした飲みやすいスープに仕上がる。お好みでニンジン、ゴボウなどの根菜を一緒に煮込んだり、クコの実をトッピングすれば見た目も本格的に。鶏肉のコラーゲンとビタミンEなどを豊富に含む玄米の栄養素で、美肌効果も期待でき、ショウガや青ネギ、ニンニクといった薬味の効果で疲労回復にも最適。
これからの季節、夏バテ対策としても有効な手軽で簡単にできるオススメメニューだ。今回、ライスミルクでいくつかのアレンジメニューをつくってみて、いずれも牛乳と同じ感覚でそのまま代用してもまったく問題がなかった。ライスミルクが持つ自然な甘みや酸味といった風味が隠し味となり、お料理がより奥行きのある味わいに。さらに、お米の持つでんぷん質により歯ごたえや舌触りのよい食感を与えてくれるなど、料理の腕を一段アップさせてくれる“技アリ”な一品に。今回の企画を通じて、ライスミルクは、単に飲むだけでなく、牛乳や調味料としても大いに使えるアイテムであることが分かった。