人に聞けない相続の話 (11) 85歳を過ぎた母が自宅兼アパートを建てたいと…、その相続対策は本当に必要!?
連載コラム「人に聞けない相続の話」では、相続診断協会代表理事の小川実氏が、その豊富な実務経験をもとに、具体的な事例を挙げながら、相続の実際について考えていきます。
【ケース11】
85歳を過ぎた母が相続対策のために自宅をアパート併用住宅に建て替えたいと言っています。
費用は1億円ほどかかるそうです。
相続人は、長女の私と妹の2人ですが、いずれも結婚し夫名義の家に住んでいます。
確かに母の住んでいる家は、駅にも近く場所が良いので、相続税も掛かりそうですが、母が亡くなった後は、長女の私が借金を返済しなければいけなくなりそうで、何となく不安です。
1億円の借金をしてまでの相続対策は必要でしょうか?
【診断結果】
○まずは、相続税の試算が必要
相談者のお母さんは、相続税が心配でアパート併用住宅を検討されているようですので、まずは、相続税の試算が必要です。
相続税が、対象となる方の財産の合計金額で計算する仕組みになっていますので、まずはどのような財産があるのか、「財産の棚卸し」をします。
おおよその財産の内容が分かったら、相続に詳しい税理士に財産の相続税評価額と相続税額の計算をお願いして下さい。