富士通が虹彩認証スマホ「ARROWS NX」やARROWSケータイなど新製品をアピール
○ARROWS NX、ARROWSケータイを発表
発表会には、富士通 執行役員モバイルフォン事業本部の髙田克美氏が登壇し、新製品を紹介した。スマートフォンへの移行にともない、ここ最近は年々減少傾向にあったフィーチャーフォンの出荷台数について、富士通では2015年以降も横ばいで推移していくと予測。同社では、今後もスマートフォン、フィーチャーフォンの両方を提供していく方針だ。
これまで「ヒューマンセントリックイノベーション」を通じて、あらゆる世代の利用者に「使いやすさ」を提供していくことを目標に、製品の開発を進めてきた富士通。新製品「ARROWS NX F-04G」では「"一瞬"という心地よさ」にこだわった。
なかでも、一瞬で端末ロックを解除できる虹彩認証システム「Iris Passport」は、同製品の最大の特長だ。髙田氏は「約0.6秒で認証できる。他人受入率は約10万分の1なのでセキュリティも万全。手が濡れていたり、手袋をしていてもロック解除できる。パスワードマネージャー機能を使えばID・パスワードの自動入力も行える」とIris Passportの魅力をアピールした。
カメラ機能では、高速オートフォーカスにより従来比 約2倍の速さでピント合わせが可能に。また、データの高速ダウンロードにも対応した。NTTドコモの提供する、下り最大225Mbpsの「PREMIUM 4G」とWi-Fi MIMOを同時利用するマルチコネクションなどの技術により、ARROWS史上最速(従来比 約2倍)で高速ダウンロードできるのが魅力だ。
このほか、ARROWS NXでは大容量データを一瞬で転送できる「TransferJet」にも対応する。これは約1分のフルHD動画(100MB)を約4秒で転送できる近接無線技術。ここで、舞台上には内蔵チップを開発した東芝 セミコンダクター&ストレージ社の早坂伸夫氏が登壇して挨拶した。同氏によれば、TransferJetの実効速度は最大375Mbps。電波が3cmしか飛ばないので、セキュリティの面でも安全だという。高画質の写真や動画など、機器間でやりとりするデータの容量がリッチになりつつある昨今。「Wi-Fiを利用した転送では時間がかかる、といった不満の声にも対応できる」としてTransferJetの利便性を強調した。
○ARROWS ケータイはLINEに対応
ARROWS ケータイ F-05Gは、Android OSを搭載した折りたたみ式の携帯電話。
内蔵バッテリーは1,700mAhの大容量で、連続待受時間が従来製品(F-07F)の約1.5倍に伸びた。通話面では「スーパーはっきりボイス4」により、周囲がうるさい環境でも声が聞き取りやすい。そしてATOK搭載により、文字入力も快適に行える。何より最大の特長は、LINEアプリに対応している点だ。髙田氏は「富士通の携帯電話の集大成となる製品」と説明した。
また、NTTドコモ2014年夏モデルの「らくらくスマートフォン 3 F-06F」には2015年8月上旬より、新色「エアーブルー」が追加される。中国の青磁を思わせる、淡い青色が特徴となっている。そして今夏に提供予定のソフトウェア更新を行えば、VoLTE、ドコモメールが利用可能になる。
ワンタッチダイヤルには、好みのアイコンも設置可能となる。
このほか、23型液晶一体型デスクトップPC「ESPRIMO FH」シリーズ2機種、および15.6型ノートPC「LIFEBOOK AH」シリーズ4機種の計6機種を発売する。ESPRIMO FHは、ハイレゾ音源が再生できるパイオニア製ボックススピーカーを搭載しているのが特長。ツイーター部磁性流体を採用しており、高音域の再生が改善されている。ESPRIMO FHは15.6型のノートPCシリーズで、発売日は6月26日を予定している。
○今後はPCにも虹彩認証を搭載?
発表会の最後に、質疑応答の時間がもうけられた。今後はiモード携帯は開発しないのか、という質問に髙田氏は「徐々にAndroidケータイに移行していく」と回答。虹彩認証の搭載によりソフトウェアのアップデートがしにくくなる可能性については「影響はない」と答えた。
富士通ではこれまで、指紋認証、虹彩認証、静脈認証などの生体認証技術を開発してきた。髙田氏は「スマートフォンの省スペースな環境に虹彩認証を搭載できた。当然PC、タブレットにも搭載できるということ。今後は、お客様のニーズに合わせて各ソリューションを使い分けていきたい」と語った。