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中堅・中小企業、必見! イノベーティブ思考法で新規事業の創出を成功へ導く

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中堅・中小企業、必見! イノベーティブ思考法で新規事業の創出を成功へ導く
企業の経営支援サービスなどを通じて企業の成長と課題解決を支援している株式会社 大塚商会は、慶應義塾大学大学院 システムデザイン・マネジメント研究科との共同研究から中堅・中小企業における新事業創出支援プログラムを開発・提供している。そのプログラムの基礎となるのは「イノベーティブ思考法」という考え方だ。

2015年4月23日、東京・大塚商会本社で開催されたプレセッション「中堅・中小企業に求められる新規事業創出とその考え方」では、大塚商会で経営支援を担当する 清水 詠氏と、慶應義塾大学大学院 特任講師富田 欣和氏から、中堅・中小企業における新規事業創出の必要性と、それを実現するために有効とされる「イノベーティブ思考法」が、講演とワークショップによって紹介された。

○事業を「小さく始める」ための環境は、整っている

現在の成熟・複雑化した社会環境の中で成長していくためには、「今の顧客」の声を聴くだけではなく、「将来の顧客」の声を洞察し、これまでにない新たな価値を創造する ―― つまり、市場の"不確実性"をチャンスと捉え、新しい土俵を自ら創り、そこでビジネスを展開していく必要性がある、と清水氏は語る。新規事業の創出に成功すれば、既存事業以外の収益源となって経営が安定するとともに、組織の活性化や人材育成も期待でき、結果、企業の持続的な成長につながる。

これまで中堅・中小企業では限られた経営資源が足かせとなり、新規事業の創出を拒んできたが、ここにきて「クラウドソーシングによる専門家への業務委託」、「DDM(Direct Digital Manufacturing)による金型・組立無しでの最終製品の製造」、「クラウドファンディングによる柔軟な資金調達」、「オープンイノベーションによる他企業・研究機関とのアイディア・技術面での連携」など、ビジネス創出の初期の段階から小さく試しながら新しいことに挑戦できる環境が整ってきている。中堅・中小企業が、"俊敏性"や"意思決定スピードの速さ"といった本来の強みを活かすことで新規事業を創出し、イノベーションを巻き起こすチャンスは拡大していると言える。

従来「イノベーション」は、「革新・刷新」のように訳されてきたが、富田氏は、関西学院大学教授の玉田 俊平太氏が提唱する「創新普及」の方が的確だと言う。
「新しいものをつくって普及させるというライフサイクル全部を"イノベーション"と捉えるべきで、これこそが新規事業と呼べるものです」と言う。しかし一体、どうすれば、収益につながる新規事業を起ち上げられるのだろうか?

○まず何を、どう考えるのか?

イノベーションは最初から狙って生みだせるものではないが、これまでとは違う「本当に世の中に受け入れられる価値」、「多くの人が欲しいと思う価値」を生み出すために、アイディアや結論よりももう少し抽象度の高い「インサイト(気づき)」を媒介としながら、イノベーティブに思考し続ける強い意識を持つことが重要である、と富田氏は言う。面白いアイディアが育つ前に事業性を評価することで尖ったアイディアが丸くならないために、最も重点的に取り組まなければならないのはコンセプト段階での"価値探索"とその"深堀り"であることを忘れてはいけない。では一体何を、どうやって考えればよいのか?その解となるのが、"システム思考"と"デザイン思考"とを掛け合わせた「イノベーティブ思考法」だ。

"システム思考"は端的に言えば、全体を俯瞰し、そこにある構成要素と、そのつながりを考える、ということ。一方"デザイン思考"は、分析的に物事を考えるのではなく、人間らしさを意識した創造的な考え方だ。自由な心で対象を観察し、そこから得られる気づきを活かすこと、多様な人材を巻き込んで協創(協働でのアイディア発想)すること、そしてプロトタイプをつくって、それにユーザーが共感してくれているかを確認すること、この3つの柱となる。

○アイディア自体よりも、「なぜそれが面白いのか」に気づくことが重要

「イノベーティブ思考法」に基づき面白いソリューションを考える方法として、富田氏は簡単な図式を使って紹介した。

まず、新規事業を打ち出そうと考える領域にあるすべての解の空間の中に、既存の答えの空間が内包されているとする。そしてブレーンストーミングなどで、既存のものであれ、そうでないものであれ、大量のアイディアを出すことで既存の答えを越えていく。次に、それぞれのアイディアがどんな意味を持つか、なぜ面白いのかを検討し、親和性の高いものをグルーピングしていく。この段階で既存の答えの空間を構造的に捉えることができるため、その外側にある「意味」「面白さ」をすくい上げて「インサイト(気づき)」を獲得し、その面白いと思った新たな領域でまたアイディアを創出する(既存の枠を認識した上でその外側に出て、具現化する)…この繰り返しで、コンセプトを固めていくのだ。自由な発想に基づくデザイン思考で出た数々のアイディアを、システム思考で俯瞰しながら構造化させ、そのつながりを考えることで、進むべき方向性を決め、正しい価値を見極めていく。

○「イノベーティブ思考法」を実体験

富田氏のセッション後半では、「イノベーティブ思考法」を体験するためのミニワークショップが行われた。
テーマは「新しい"コミュニケーションツール"の切り口を考える」。二人一組になった参加者に、「FAX」「スカイプ」「スピーチ」「スマートフォン」「手話」「のろし」など、30枚ほどのコミュニケーションにまつわるカードと、1枚の大きな紙が配られた。
紙に縦横の軸を持つ2×2のマトリクスをつくり、参加者が自由に考えた複数の軸を何度も組み合わせながらカードがどこに位置するのか、二人で議論しながら配置していくことで、思いもしなかった「インサイト(気づき)」をみつける、というアクティビティだ。

参加者たちがしばらく作業をしたところで、富田氏から「まさかアナログ・デジタル、私的・公的のような軸にしていませんよね?」との指摘があると、会場からは苦笑めいたどよめきが起こった。「これまでにないものを生みだそうとするなら、これまでにないような軸の組み合わせをつくらなければいけません」。将来、新規事業を生み出すためには、自由でイノベーティブな発想をしなければならないことを再認識した参加者たちは、改めて軸の特性を検討し直し、作業を進めた。「自分たちしか気づいていない軸を探してください。軸決め(問題提起)がイノベーティブなら、結果もイノベーティブなものになります」

アクティビティ終了後、富田氏は、それぞれがつくりあげたマトリクスを前にする参加者たちに言った。「どうしてそういう配置になるのか、という問いかけからインサイト(気づき)につながります。次はそれをプロトタイプなどで確かめてみれば、もしかすると新しい価値発見の第一歩になるかもしれません。
インサイトは、ソリューションを生み出すための新しい視点や方向性を与えてくれます。2×2というシステマティックな枠組みの中で、デザイン思考によって自由に考えれば、単なる分析でもインスピレーションでもないところから、皆さんにとって自信のあるユニークなインサイトにつながり、結果、新しいソリューションが生まれてくるのです」

○体験して、はじめて分かる、新規事業創出のポイント
約3時間にわたる講演とワークショップを終えた参加者からは、「このセッションの考え方を弊社の幹部社員に研修にも入れたい。特に2×2によるインサイト抽出は効果的」「意識をしているだけではなく、実際に手をうごかしてみることが何より難しく何より大切だと改めて感じた」などの感想が寄せられた。

大塚商会では、今後も新規事業創出のヒントになるワークショップを実施していくという。
6月には、4日間にわたってアイディアの創出から製品化、プロトタイピングなどを体験できる、より踏み込んだワークショップも予定されている。自社の現在や将来に危機感を持つ方々のみならず、新たな思考法・発想法に興味を抱かれた方は、この機会に参加してみてはいかがだろうか。

6 月開催ワークショップの詳細は以下の通り

・タイトル:新規事業創出支援プログラム 体験型ワークショップ
「独創的な製品・サービスを生み出すイノベーティブ思考法」
・開催日時:
2015年6月 5日(金)9:30~17:30 (懇親会 ~19:30予定)
2015年6月12日(金)9:30~17:30
2015年6月19日(金)9:30~17:30
2015年7月 3日(金)9:30~17:30 (懇親会 ~19:30予定)
・参加費:80,000円 (税別)
・開催会場:株式会社大塚商会 本社ビル 3F 東京都千代田区飯田橋2-18-4
・主催:株式会社大塚商会
詳細はこちらから

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