キャリア向けXperia Z4はどこが違う? - デザインから内部まで徹底比較
ソニーモバイルが4月20日に発表した「Xperia Z4」(以下Z4)は、日本のスマホメーカーとしては異例とも言える、キャリアの発表前の発表が話題になったが、蓋を開けてみれば国内の三大キャリアすべてから登場することとなった。ここではNTTドコモ、KDDI(au)、ソフトバンクモバイルから販売されるXperia Z4を比較していく。
○本体は基本的にどれも同じ
まずは本体の外見から見てみよう。当たり前といえば当たり前だが、基本的にすべて同じデザインだ。実は前モデル「Xperia Z3」(以下Z3)のときは、キャリアによって扱うスペックの数値が微妙に異なっていたのだが、これはキャリアによって測定方法が異なるため、測定値にも差が出てしまっていたとのこと。今回は全社共通のスペックになっている。
外見上の違いは、ロゴの入り方で見分けられる。ドコモ版Z4は、背面中央にキャリアのロゴが入り、のロゴは下端部に移動している。
au版Z4はXPERIAロゴが中央に、キャリアロゴが下端に来ている。一方ソフトバンク版は中央にソニーロゴ、下端にXPERIAロゴと、ソニー製品であることを全面的に主張している。
また、おサイフケータイや周辺機器向けにFelica/NFCを搭載しているが、ソフトバンクのみNFCロゴになっている。このあたりの理由をソフトバンクの発表会場で確認してみたところ、グローバルモデルに合わせたという話だった。
カラーリングを含めて外見はほとんど同じなため、どれを選んでも大差はないが、強いて言えばキャリアロゴの入っていないソフトバンク版が中古端末市場などで人気が出るのではないだろうか?
●プリインアプリの違いは?
○ソフトウェア的な違いは?
最近は以前ほどではなくなったものの、キャリアが提供するさまざまなアプリがプリインストールされている。このあたりはSIMロック解除が義務付けられたとは言っても変わらないようで、Z4でもキャリアのアプリがいくつか入っている。もっとも、たとえばドコモのdビデオなどのように、別キャリアからでも利用できるようになったサービスが多いため、MNPなどでキャリアを変えてもあまり影響は大きくないだろう。
ソニーによるプリインストールアプリについてはほぼ共通だが、au版Z4のARカメラにのみ、au向けのダウンロードコンテンツが用意されているとのことだった。
これについては端末ごとにキャリアを識別する仕組みがあり、仮にMNPしても、au版のXPERIAでしかダウンロードできないとのこと。どうしてもこのコンテンツだけは外せない! という方がいらっしゃれば(……滅多にいないと思うが)au版を狙うといいだろう。
●通信面での違いは?
○通信部は別パーツ? それとも同一?
3キャリアで異なる可能性がある部分といえば、通信機能を司る無線モデムのチップだろう。ドコモ版とau版はそれぞれLTE-Advanced(PREMIUM 4G)やWiMAX 2+による下り最大225Mbps通信を、ソフトバンク版は4G LTEで下り最大187.5Mbps、4Gで下り最大165Mbpsでの通信に対応する。ちなみに、ソフトバンクの「4G LTE」とはFDD-LTEを使った通信で、先日までは112.5Mbpsだったものが、キャリアアグリゲーション(CA)によって187.5Mbpsに向上した。また「4G」のほうは、旧ウィルコムから受けついだAXGPをCAで使うことで165Mbpsに到達する。AXGPは技術的にTDD-LTEに近いため、実質TDD-LTEと言ってもいいだろう。
LTEについては全キャリア基本的に共通の方式(FDD-LTE)だが、WiMAX 2+やSoftBank 4Gなど、他社がサポートしない通信方式もある。
また3Gの通信方式はドコモとソフトバンクがW-CDMA、auがCDMA 1X WINと分かれており、2つの通信方式の間に互換性はない。このため、iPhone 6など一部のグローバル端末の例外を除き、メーカーはキャリアごとに専用の端末を製造していた。これが、SIMロックを解除しても、MNPに実質使えないという事情になっていたわけだ。
ところが、この5月からユーザーが希望した場合、キャリアにはSIMロックの解除が義務付けられた。こうなれば、わざわざキャリアごとに内部を分けて製造する必要性はなくなる。グローバル端末のように全周波数帯をサポートする無線モデムを搭載したほうが効率がいいはずだ。
各社の発表会で担当者を捕まえるたびにSIMロック解除後の対応について確認したのだが、ハードウェア的に対応していても、キャリア側でどの周波数帯を使えるようにするか、設定ファイルはどうするかといった問題もあり、まだ彼らもどうなるかはよくわからないという。Z4自体は強力なカメラ機能や極薄軽量ながら防水防塵を実現するなど魅力的な端末でもあり、MNPをするにしても、愛着を持って1台を長く使っていきたいという人も多いだろう。
SIMロック解除が義務付けられても、端末側がサポートしていないのでは仕方がない。どうなるかは未知数だが、ユーザーにとって都合がいい方向に転がってくれることを祈るばかりだ。
(記事提供: AndroWire編集部)
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