すすぎ残し問題、解決なるか? - 日立、縦型洗濯機「ビートウォッシュ」発表会
○縦型洗濯乾燥機では業界初の大容量を実現
今回発表されたのは、縦型洗濯乾燥機「BW-D11XWV」と、スリムタイプの「BW-D10WV」「BW-D9WV」「BW-D8WV」の計4モデル。加えて、乾燥機能を搭載していない全自動洗濯機「BW-10WV」「BW-9WV」「BW-8WV」「BW-7WV」の4モデルも同時に発売する。全モデルに強化ガラスを使用したガラストップデザインを採用。
ガラストップは見た目にも美しいほか、プラスチックと比較して傷がつきにくく、凹凸が少ないため掃除も簡単だという。
発表会での注目製品は、なんといってもフラッグシップモデルのBW-D11XWV。日立アプライアンスの調査によれば、カーテンや毛布といった大型のファブリックを自宅で洗濯する需要がある。そのため、1世帯あたりの家族構成人数は減っているにもかかわらず、洗濯機の大容量化が求められている。新モデルのBW-D11XWVは、洗濯容量が最大11kg、乾燥容量が最大6kg。11kgという洗濯容量は、縦型洗濯機としては業界で最大の容量だ(2015年5月20日現在。日立アプライアンス調べ)。また、槽内パーツの薄型化や、バランスリング設計の最適化などにより、従来モデルから外形寸法を変えずに、+1kgの容量アップを実現した。
○遠心力ですすぎ残しを一掃する「ナイアガラすすぎ」
前モデルからの大きな変更点は、「ナイアガラすすぎ」と呼ばれる新しいすすぎコースを搭載したこと。一般的な洗濯機は、キレイな水を通水させ、槽に水をためてすすぐという2ステップの方式を採用している。一方、ナイアガラすすぎではいったん槽内に水を貯めた後、毎分1,000回転という高速回転の遠心力で洗剤を絞り出す。それから、最大流量毎分約50Lというたっぷりの水で、繊維に潜んだ洗剤をさらに落とす。発表会では、従来モデル「NW-8TY」の洗濯機で脱水した衣類を、毎分1,000回転の遠心力にかけるデモを実演。一度NW-8TYで脱水を行ったにもかかわらず、1.4Lほどの水が絞り出された。また、すすぎ性能を比較するため、「すすぎ前の水」「従来型洗濯機の標準コースでのすすぎ後の水」「ナイアガラすすぎ後の水」「ボトルから注いだばかりのキレイな水」の4種類を、ブラックライトで照らすデモも実演。洗剤のすすぎ残しがある場合、洗剤の蛍光剤が青白く光るのだが、ナイアガラすすぎ後の水は、ボトルから注がれたミネラルウォーターとほぼ同じ色であった。
○[温水]ナイアガラビート洗浄で黄ばみを除去
洗浄は、大量のシャワー洗剤液を幅広く散布する「ナイアガラ循環シャワー」と、押し洗い・たたき洗い・もみ洗い効果のある洗濯羽根「ビートウイングX」を使用して行う。この「ナイアガラビート洗浄」に、新機能として約40℃のミストを吹き付ける「[温水]ナイアガラビート洗浄」を追加した。温水ミストを繊維の奥まで浸透させながら温めたら、温水を循環させて約30~40℃をキープしつつかくはん洗いをする。洗剤を温めることで酵素を活性化させ、黄ばみや皮脂汚れを落とす。
○洗浄力以外の「使いやすさ」にも注目
洗浄力以外の「使いやすさ」にもこだわった。一つは、洗濯槽の底までラクに手が届くこと。洗濯槽の底位置が高く、深くかがまなくても衣類を取り出せる。二つめは洗濯物を出し入れしやすいこと。
投入口の幅が43cmと広く、大きな洗濯物も簡単に出し入れできる。三つめはからまりなくスルッと取り出せること。脱水後に羽根を小刻みに動かして、からんだ衣類をほぐし、一枚ずつ取り出しやすくしてくれる。
○フラッグシップ機以外もガラストップデザインに
発表会では、フラッグシップモデル「BW-D11XWV」の発表がメインだったが、スリムタイプの洗濯乾燥機と全自動洗濯機の発表もされた。BW-D11XWVのボディ幅が610mmであるのに対し、スリムタイプは幅570mmとコンパクトなのが特徴だ。スリムタイプはナイアガラすすぎ機能を持つものの、毎分900回転となる。乾燥機能を持たない全自動洗濯機の新モデルは、温水ミスト機能を搭載しないが、高濃度の洗剤液を衣類にかけて、じっくり洗う「つけおきナイアガラビート」に対応している。