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見るだけで操作できる! - 世界初の視線追跡型VR用ヘッドセット「FOVE」先行予約開始

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見るだけで操作できる! - 世界初の視線追跡型VR用ヘッドセット「FOVE」先行予約開始
●VRには3段階の進化がある
FOVE社は5月19日、VRヘッドマウントディスプレイ(HMD)の「FOVE」の量産に向け、Kickstarterを利用した資金調達を開始した。「FOVE」は眼を覆うように装着するHMD。微妙な目の動きを追跡することでユーザーが見ている空間を算出し、没入感の高い仮想世界を体験できる。

合わせて、都内でキックオフイベントが開催された。イベントでは女優の池澤あやかさんをゲストに迎えたトークセッションが行われたほか、FOVEを使って目線でピアノを演奏する沼尻光太さんへのインタビューも実施。また、FOVEの実機を用いた体験会も開催された。ここでは、その様子をお伝えする。

○VRには3段階の進化がある

イベントでは、まずFOVE社の小島由香CEOが登壇し、世界的に注目を集めているバーチャルリアリティ(VR)の現状を説明した。


小島氏は「VRには3段階の進化がある」とし、360度の視野角などによってユーザーが仮想現実世界の存在を現実のように感じる"プレゼンス(存在感)"の実現を第1段階、ハンドトラッキングやモーションコントローラーなどによって仮想現実世界を操作する"コントロール"の実現を第2段階と定義。

「私たちが目指すのは、その次にある第3段階の"感情表現"。たとえば、見つめることでキャラクターのリアクションを得るなど、感情のやりとりができるようになる。FOVEでユーザーの感情を仮想現実世界に持ち込む手助けをしたい」と語った。

小島氏によれば、第2世代の"コントロール"においてもFOVEは優位性があるそうで、「FOVEはユーザーの視線を検知する視線追跡技術(アイトラッキング)を採用することで、現在のHMDの問題点であるパララックスエラー(視差によってポインティングにずれが生じること)を解決しようとしている。シューティングゲームなどでは、マウスを使った操作よりも素早く照準を合わせられるため、より快適で自然な操作が可能になる」とコメント。

ちなみに、FOVEではユーザーが注視している部分に高精度なレンダリングパワーを集中させ、見ていない部分を低解像度でレンダリングする「フォビエイテッドレンダリング」という技術も採用しており、従来に比べて6分の1程度のPCパワーですむのも特長とのこと。そのため、小島氏は「スペックの低いマシンでもVRを実現できる」とし、「近い将来、ノートPCやスマートフォンなどでもVRを楽しめるようにしていきたい」と意気込みを見せた。


●池澤あやかさん興奮、ゲストがFOVEを体験!
続いて、「大学時代にVRやインタラクティブデザインなどを勉強していた」という、ギーク女優の池澤あやかさんがゲストとして登壇し、実際にFOVEを装着してシューティングゲームを体験した。

池澤さんは、視線の動きに合わせて敵に照準が合ったり、眼からビームが発射されたりするたびに歓声をあげ「自分が超人になった気持ち。すごいですね。これは新しい体験。視界が広くて見ている映像もとても自然です」と興奮した様子だった。

これに対して、同社のロックラン・ウィルソンCTOは、「FOVEは解像度が2,560×1,440ドットと高精細で、視野も100度以上と広い。また、視線追跡技術によりユーザーが注視している部分にピントを合わせ、ほかをぼけさせることもできる。そのため、一般的なHMDよりも自然なVR体験ができる」と説明。
小島氏も「今までのHMDはすべてにピントがあっていて、長時間使用していると気持ち悪くなることがあった。FOVEはそういったVR酔いが起こりにくい」とコメントした。

次に、特別ゲストとして筑波大学附属桐が丘特別支援学校に在籍する沼尻光太さんが紹介され、身体にハンディキャップがある沼尻さんがFOVEを装着して目線でピアノを演奏する映像が上映された。沼尻さんは「手にあまり力が入らないため自分でグランドピアノを弾くのが難しいのですが、このような新しいテクノロジーのおかげでそれが実現できて嬉しかった」と感想を語った。

●本当に画面の中に入るような感覚
このあと、会場では来場者によるFOVEの体験会が行われ、筆者も実際に体験してみた。

使用方法は一般的なHMDと大きな差はなく、眼を覆うように装着すればOK。今回試した試作モデルはディスプレイ部が前方に突出した形状でサイズもそれなりに大きかったが、見た目ほどの重さはなく、装着後にずり落ちてくることはなかった(ちなみに、量産モデルでは重量は400gが予定されている)。

装着したら、まず視界に現れる緑色のドットを眼で追いかけることで視線検知の調整(キャリブレーション)を行う。
キャリブレーションが終わったらいよいよ映像体験スタート。今回は、シューティングゲームを試したが、非常に視界が広く、視線や頭の動きに合わせて映像を表示しているためか、まるで本当に画面の中に入り込んで辺りを見渡している感じだった。

また、視線検知の精度も高く、意識して視線を合わせようとしなくても、普通に敵に眼を合わせれば照準が合うため、ストレスなくゲームを楽しむことができた。短時間の体験だったため、長時間使用した場合の疲労度などは分からなかったが、数分のゲーム体験では眼が疲れることはなかった。

ちなみに同社では、ゲーム以外にも医療や教育など、様々な分野での活用が考えられると見ており、前述した沼尻光太さんのピアノ演奏のように、実際に取り組み始めているプロジェクトもあるという。また、ゲームや映像に関しても、コンテンツデベロッパーと共同で準備を進めているとのことで、イベント時にVRコンテンツの配信を行うWear VR社とパートナー関係を結んだことも発表された。今後は2015年Q3に予定されている開発者キットの提供などを通じて、さらに幅広い展開を目指していく。

なお、同社はKickstarterで25万ドルのクラウドファンディングを目指しており、349ドル以上の出資をした人に対してFOVE本体の特別割引先行予約を受け付けている。
詳細はKickstarterの該当ページを参考にしてほしい。

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