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女子高生がキス動画を投稿する「ミックスチャンネル」って何だ?

マイナビニュース
女子高生がキス動画を投稿する「ミックスチャンネル」って何だ?
どうやら最近、恋人とラブラブな動画をネットに投稿するのが女子高生のあいだで流行っているらしい。

10秒動画アプリ「MixChannel」(ミックスチャンネル)には、高校生を中心としたカップル動画が多数投稿されている。カップルたちが動画の中で抱き合ったりキスしたり……「こんなの公開してもいいの!?」と筆者(30歳)には少々びっくりするような内容もある。彼女たちのあいだで、一体何が起こっているのだろうか。

MixChannelを運営する、Donutsの執行役員・Web事業部 部長の斉藤伸樹さんとディレクターの勝原直樹さんに話を聞いた(以下敬称略)。

MixChannelは、スマートフォンで簡単に10秒の短編動画を撮影・編集できるアプリ。動画や画像を読み込んで編集したり、作成した動画に音楽や声をつけたりすることもできる。2013年12月のリリース後、現在アプリが約300万ダウンロード、月間訪問者数は約380万人、月間動画再生数は約5億4,000万回にものぼる(アプリとWebの合計値/2015年3月末時点)。


○月間5億再生、人気はカップル動画

――現在、月間動画再生数が5億回だそうですね。人気に火がついたのって、何がポイントだったのでしょうか?

斉藤: 「LOVEカテゴリ」に投稿されているカップル動画がすごく人気です。投稿者は中高生が中心で、つき合ってる1週年記念であったり、週末のデートの様子だったり、内容も幅広い。

ミックスチャンネルって、中高生の学校みたいな感じなんですよね。学校の中で目立ちたい人が「人気者になりたい」ってどんどん出てくる。その学校のクラスメイトが380万人いるっていうイメージです。その中でいかに目立つかというところでしょうか。

勝原: ミックスチェンネルはコンテンツメディアなので、いいコンテンツがあればそれだけ人を呼んでこられるっていうところが大きいですね。


カップル動画がキラーコンテンツとして、最初に世の中に広まっていきました。昨年のちょうど夏休みくらいに、カップル動画をつくる子たちが増え始めたんです。私も見ながら泣いちゃったりするくらい感動するので、これはすごく人気になるだろうなと思いました。そのコンテンツを使ってプロモーションを行って相乗効果で出していったところ、ぐんと伸びたという経緯があります。――泣ける……? 泣けるカップル動画があるんですか?

勝原: あります! ほぼすべてが泣けるカップル動画です。出会いから今までの話だとか、遠距離恋愛している彼氏にサプライズを仕掛けたらこんな反応だったとか。歌に合わせて、ページをめくるように流れるんです。結婚式のスライドに近いですね。


○友達が多くて彼氏もいる"リア充"のメディア

――どんな人たちが使ってるんですか?

勝原: 10代が8割、そのうちの8割は女子が使っているという感じです。ほぼ女子中高生ですね。アプリ内でとったアンケートによると、SNSを含めて100人以上友達がいるっていう子が半分以上だったんですよ。彼氏がいる子も6割以上。友達が多くてかつ彼氏もいるっていう子が多いので、"リア充メディア"と言えると思います。

使われている地域分布としては関東が最多ですが、他のサービスに比べると関西の割合も高いです。私たちの中でもこれっていう理由はわかっていないんですけど、自己主張をする層が関西は多いのかなと。

――その中でも人気の投稿者ってどんな特徴がありますか?

勝原: 「LOVEカテゴリ」には、文化として"有名カップル"っていうのがあるんですよ。
ミックスチャンネルができる前からツイッターでフォロワー数5万人くらいいるようなカップルアカウントがあって、そういう子たちがミックスチャンネルを始めて有名になって人気になるってパターンが多いですね。

――そういう有名カップルって、やっぱり「かわいい」とか「かっこいい」とか、ルックスがいい子たちなんですか?

勝原: もちろん美男美女でもすごく人気になるんですが、「関係性がとても素敵」みたいなところも重要です。イケメンとは言えない丸坊主の野球部の男の子が彼氏っていう動画も、すごく人気になったことがあります。

カップルで踊りをしている様子がかわいいとか、遠距離恋愛でサプライズをしてくれる"彼氏力"がかっこいいとか、そういうふたりの関係性にあこがれてファンになっているっていう子が多いんじゃないでしょうか。

○カップル動画を投稿する・見る心理

――ところで、そもそもカップル動画を投稿するのってどんな心理からだと思いますか?

勝原: 私も最初は全然わからなかったんですけど、「応援してもらえる」「みんなに承認してもらえる」ということがモチベーションになっているんだと思います。「自分たちはこういう付き合いをしている」や「こういう場所に行った」といったことを発表する場所として、ミックスチャンネルで1つ動画を投稿する。そうすると「Like」(見ている人が「いいね!」と思ったとき押すボタン) が、多い子だと5万とか10万とか押されるんです。「私もそういうふうになりたいです」「あこがれてます」「がんばってください」なんてコメントも、多いと1,000くらいつくんですね。
そこをモチベーションにして自分のプライド形成をしているのではないでしょうか。

――別れてしまったらどうするんでしょうか?

斉藤: それはそれで、「別れました」みたいな記念動画を投稿するユーザーもいるっていう感じですね。これが最後ってけじめをつけるような。

勝原: 動画を消してすべてを消し去りたいという子もいるんですけど、「今までの恋にありがとう」って動画をずっと残しておくような子もいます。

――なるほど。逆に見る側にとっては、カップル動画って何がいいんでしょうか?

勝原: ミックスチャンネルに投稿されている動画がツイッターに投稿されることってけっこうあるんですけど、そのコメントで多いのが「見てこのカップル。超よくない?」っていうものです。「こういう関係性すごくあこがれるし、いいよね」「見ててほっこりする」って楽しんでるんです。


「人の幸せを見てたのしいのか」「見ててつらい」って大人は思うかもしれないんですけど、そういう価値観は実は若者にはないみたいです。ちょっとテレビと似てると思います。"プチテラスハウス"を見てるような感じです。

○ポイントは簡単にスマホで投稿できること

――ほんとに新しい文化って感じですね。もともと2013年12月にサービスを立ち上げられたときには、どんな人がどんな使い方をする狙いがあったんですか?

勝原: スマホアプリのかたちでサービスをつくることを試みていたので、大人よりもアプリの保有率がすごく高い中高生向けのサービスにしようかなっていう構想はありました。でも現状多いような女子高生向けといったはっきりした狙いはなかったですね。

――こういう動画が投稿されるだろうっていう想定はあったんですか?

勝原: 海外だとvineのような動画サービスが流行っていたんですけど、日本の若者たちは海外よりも写真を撮ることが多いだろうなと思っていました。たとえば渋谷で若者にインタビューしてスマホのカメラロールの中身を見せてもらうと、1万枚とかけっこう写真が入ってたりするんですよね。
これは特徴的だ、と。

動画を撮るだけではなくていろいろ組み合わせて編集するような機能を考えていたので、「思い出の動画をスライドショーでつくる」というような動画が増えるだろうなと思っていました。

――機能面では、ミックスチャンネルにはどんな特徴がありますか?

勝原: 他の動画サービスメディアに比べて、スマホで動画の作成ができるっていうところが大きいですね。

他の動画サイトってスマホでも見られるんですけど動画の作成自体はPCからがメインになるので、投稿者と閲覧者がはっきり分かれてると思うんですね。ミックスチャンネルは簡単に作成できて簡単に投稿できるというところまでができるから、スマホを持ってる若い中高生にウケているんだと思います。

斉藤: 閲覧者が動画にコメントできるほか、見ている人が「いいね!」と思ったとき押す「Like」というボタンがあります。そのLikeって連打できるようになってるんですよ。それでさらに投稿者のモチベーションが上がりるのではないでしょうか。

――カップル動画の他にはどんなものがありますか?

勝原: ミックスチャンネルには今3つの柱があって、これまでお話ししてきたカップル動画の「LOVEカテゴリ」のほかに、「おもしろカテゴリ」「やってみたカテゴリ」などもあります。

おもしろカテゴリには、顔を出して一発芸をするようなものや、学校でどっきりを仕掛けてみたなんていう内容が投稿されています。学校で起こる日々のできごとを映したものなど、クリエイティブというよりは一般的な笑いを誘うものが多いような気がします。

やってみたチャンネルというのは、ダンスやポッキーのCMのまねなど、高校生っぽいチャンネルです。今すごく流行っているのが、女の子2人組で「共同アカウント」を立てて自分たちでものづくりをして発信していくというやり方。この歌に合わせてこういうダンスを考えてみました、といったものです。

――今後はどんなサービスにしていきたいと考えていますか?

勝原: カップルが使うメディアとしてはブランディングできてきていると思うので、10代全員が使う"10代メディア"としてブランディングしていきたいなと思います。斉藤: チャンスがある国に対しては海外展開もしていきたいですね。

――ありがとうございました。

※イメージ写真は本文と関係ありません

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