理研の松本理事長、人事制度の一本化・英語の公用語化などの改革案を発表 - 「他の研究機関の手本となるようなモデルを構築したい」
理化学研究所(理研)は5月22日、4月1日に就任した松本紘新理事長(前京都大学総長)が会見を開き、今後の経営方針として人事制度の一本化や英語の公用語化などの改革案を含む「科学力展開プラン」を発表した。
会見で松本理事長は、理研が4月に独立行政法人から研究開発法人になったことで「研究開発成果を最大化することがミッションとなった」とコメント。したがって、今回発表された「科学力展開プラン」はそれを実現するための"道しるべ"ということになる。
○研究の現場が抱える課題を指摘する5つの柱
同プランは5つの柱で構成されている。まず、1つ目の柱は「研究開発成果を最大化する研究運営システムを開拓・モデル化」となっている。「研究開発成果を最大化する」という部分は同研究所のミッションにある通りだが、ポイントは研究運営システムが含まれている点だ。
理研には現在、定年制と任期制という2種類の雇用形態があるが、これを一本化し新しいテニュア制度(身分保障制度)を構築するという。人事制度ではこのほか、評価・予算配分制度の見直しに加えて、研究責任者の権限と責任を明確化する取り組みを進める。
また、研究者が資金調達の専門家、機材の技術者、ソフトウェア開発者など、研究以外の役割も自分でこなさなくてはならず、研究に集中できない現状を解消するために、研究をサポートするスタッフの充実も検討していくという。