三菱、かまどご飯を追求した羽釜の炊飯器「本炭釜 KAMADO」 - みずみずしさと粒感を両立
発表会には三菱電機ホーム機器 取締役社長 田代正登氏が登壇し、製品開発の背景や製品の機能について説明した。
○「本炭釜」で高級炊飯器の市場をけん引
三菱電機のIH炊飯器「本炭釜」は、2015年で10周年を迎える。田代氏によれば、2006年に初代モデルを発売してからというもの、三菱電機の本炭釜は高価格帯の炊飯器市場形成に貢献してきた。
本炭釜シリーズ最大の特徴はなんといっても、炭を削ってできた内釜。職人の手作業によって一つ一つ丁寧に作られており、完成には約100日かかっている。NJ-AW106で採用している本炭釜は純度99.9%の炭からできており、高い遠赤外線効果を持つ。
釜の厚さは最大10mm。田代氏いわく、炭はIHとの相性が良い素材で、発熱に必要な磁力線が釜厚全体まで浸透する唯一の素材だそうだ。釜全体が発熱するため、米を効率よく加熱できる。
○「かまど炊き」を追求
炭を用いた内釜は踏襲しながら、今回の新モデルでは「かまど炊き」のおいしさを追求。かまどのメカニズムを研究し、「羽釜形状」「高断熱」「大火力」という3点が重要だという結論にたどり着いた。
そこで、新たに内釜を羽釜形状にしたほか、10mmの断熱材の追加、本炊き時の電力量アップなどの工夫を施した。その結果、粒感がしっかりしていながらも中はみずみずしいご飯を実現。田代氏は「従来の炊飯器では、粒感とみずみずしさは両立するのが難しかった。
しかし、NJ-AW106ではかまどで炊いたような食感のご飯を炊ける」と自信を見せた。
○おいしさを視覚的に伝える「実りの形」
大きく変更されたのは内釜だけではない。デザインも一新され、従来モデル「NJ-XW105」の四角い形状から丸みを帯びた形状になった。断熱材の追加といった、かまど炊き実現のために必然だったデザインの変更だが、機能面だけではなく、おいしさを視覚的に伝える役割も果たしている。手のひらで握ったおにぎりや、旬になって熟れた果実、ふっくらと焼きあがったパンなど「実りの形」というデザインコンセプトのもと、設計された。○「KAMADO」で炊いたご飯を試食
発表会参加者には、炊きたてご飯とおにぎりが提供された。いずれも「ひとめぼれ」を、米の銘柄ごとに適した設定で炊いてくれる「銘柄芳潤炊き」で炊いたものだ。つやつやしていて、見た目にもおいしい。
実際に頬張ってみると、確かにみずみずしいのにベチャっとしておらず、粒感があるのにカタすぎない、絶妙な食感であった。口に含んだ瞬間に甘みを感じ、鼻に抜ける香りも存分に感じられた。おにぎりはご飯が冷めているにもかかわらず、甘みをキープしていておいしかった。