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ワイヤレスジャパン2015で見た、明日の技術

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ワイヤレスジャパン2015で見た、明日の技術
●Wi-FiとBluetoothが変換できたら便利かも
5月27日~29日、東京ビッグサイトで開催されたワイヤレスジャパン2015は、無線技術に関する展示会だ。どちらかというと一般ユーザー向けの話題は少ないが、そこで見た「明日の技術」をいくつか紹介したい。

○Wi-FiとBluetoothを変換 - Bluetooth SIGブース

ワイヤレス通信として、コンシューマーにもなじみ深いBluetooth SIGも出展。一般ユーザーにとって直接役立ちそうなものとして、アプリックスがWi-FiとBluetoothを変換するプログラムを開発している。ブースでは、3G接続のスマートフォンがクラウドを介し、3GからWi-Fi、さらにBluetoothの「三人羽織」となり、Bluetoothで動くチョロQを走らせるデモを行っていた。

ただしアプリックスが製品化するわけではなく、将来どこかのWi-Fi(無線LAN)ルータに組み込まれることを期待しているとのこと。また、アプリックスのBluetoothモジュールを家電製品に組み込むことによって、例えば健康器具の動作状況をスマホで表示したり、スマホから照明をコントロールしたりといったデモを見せていた。

●5G通信の直前と、その先の技術 - NTTドコモ
○2020年、NTTドコモが5Gを商用開始予定。
その前、そのあとの技術

まずは携帯電話系の通信技術。現世代の4Gについて、本来、LTEは3.9Gだ。Advance LTE以降が4Gなのだが、宣伝が先走ってしまった感がある。そして次に来る5Gでは、さらなる広帯域と、複数の電波帯を使い分けるという、高度な技術と制御が必要だ。5G以前、あるいはそのあとを想定した面白い展示があった。

NTTドコモは、従来のLTEやVoLTEで使われている音声コーデックの次として、EVS(Enhanced Voice Services)を紹介していた。電話はもともと、300Hz~3.4KHzという狭い周波数帯しか伝えない(昔の黒電話からずっと同じ古典的な)もので、標準フォーマットとしてAMR(Adaptive Multi-Rate)というコーデックを採用していた。コーデックとは音声を圧縮、展開するための規格だ。


2014年に商用サービスが始まったVoLTEでは、新しいコーデックのAMR-WB(Adaptive Multi-Rate Wideband)を使用して、2倍の周波数(50~7KHz)を達成。当時は音が良いとアピールしていた。しかし、これは今回紹介するEVSの3GPP承認が間に合わなかったからだ。EVSでは、50~14KHzというさらに倍の周波数を伝えることができる。一方、必要なデータレートはあまり変わらない。

NTTドコモのデモでは、AMR:12.1kbps、AMR-WB:12.65kbps、EVS:13.2kbpsの音をヘッドフォンで聞かせることで、音の良さをアピールしていた。帯域がCDよりも狭いため、FM放送なみという表現をしていたが、今後の普及に期待したい。

●5Gで脚光を浴びる60GHz通信 - KDDI研究所
○KDD R&D LABS(KDDI研究所)の高周波通信

KDD R&D LABSでは、5Gで脚光を浴びている60GHz通信に対して2つのソリューションを展示していた。
一つは、列車内を想定した60GHz帯のサービス展開を応用した例だ。

電波は周波数が高くなればなるほど、光に近い性質を帯びる。このため、直接見える場所同士でないと(遮蔽物があると)、電波は遮られてしまう。そこで列車内の天井にアルミの反射板を置くことで、前席の背もたれで遮られる電波を反射して、周囲に伝えるというデモだ。

10cm四方のアルミ反射板を列車内の天井に配置することで、後ろの席でも1Gbps以上の転送レートを確保していた。ちなみに、無線通信のアクセスポイントを手で覆うだけで、ガクっと転送レートが落ちる。かなりデリケートだ。

もう一つは、「5G時代の先」を想定した大容量コンテンツの転送コンセプトデモ。
大容量コンテンツのリクエストを、ワイドエリア(かつ低速)なネットワークで受け付けておき、高速な60GHz中継局に先回りして転送、ユーザーが60GHz中継局エリアに到達した時点で一気に転送するというものだ。

適切な例えではないが、「10分後に店まで行くから用意しておいて」と注文をかけると思えばよいだろう。「第5世代のスポットネットワークの活用」とタイトルがついていたので、2020年の5G時代に向けてという意味か?と聞いたところ、5G時代で実用化されるであろうヘテロジニアスネットワークと、従来のTCP/IP通信で問題となるセッション作成時間を排した「セッションレス通信」がキモのようだ。明日のまた明日の技術という印象を受けた。

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