がん細胞だけに結合する抗体でがん細胞を殺傷 - 東大がマウスで確認
同成果は、東大医学部附属病院 放射線科/東大大学院 医学系研究科核医学分野 准教授の百瀬敏光氏、東大医学部附属病院 放射線科 特任助教/東大大学院 医学系研究科核医学分野 博士課程学生(当時)の藤原健太郎氏、東大先端科学技術研究センター 計量生物医学 教授の 浜窪隆雄氏、東大先端科学技術研究センター システム生物医学 特任教授の児玉龍彦氏らによるもの。詳細は「PLOS ONE」に掲載された。
肺がんは、がんの中で最も罹患率・死亡率が高く、その内、成長が早く、転移しやすい小細胞肺がんが約15%を占めているが、身体の他の部位までがんが広がってしまっている段階の進展型小細胞肺がんは、悪性度が高く、有効や治療法が確立されていない。
今回、研究グループは、放射性同位元素で標識した「がん細胞にのみ結合する抗体(90Y標識抗ROBO1抗体)」を開発し、実際に、小細胞肺がんを移植したマウスに投与したところ、がん細胞を殺傷し、腫瘤を縮小させる効果があることを確認したという。
また、こうした抗体を投与して、がんに集積させることで、小細胞肺がんを移植したマウスの体内から放射線治療をする「放射免疫療法」が、進展型小細胞肺がんの根治や余命の改善に向けた治療法の確立につながることが期待できるとしており、今後は、同薬剤の治療効果と副作用に関する詳細な評価に加え、治療効果や副作用のさらなる改善を目指して、化学治療との併用治療や、別の治療用放射性同位元素の導入、抗体の小分子化などを検討していくとするほか、抗体の体内動態を可視化することで、SPECT/PETイメージング用診断薬の開発にもつなげたいとしている。
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