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もうすぐ発売、一足お先にSurface 3体験レポート

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もうすぐ発売、一足お先にSurface 3体験レポート
●SIMフリー? 海外で使える? 発表後に多かった問い合わせ
2015年6月19日の販売開始を控えるSurface 3だが、日本マイクロソフトは6月1日に報道関係者向けとして「Surface 3体験会」を開催した。Surface 3を購入するかどうか迷っている方の参考になれば幸いだ。なお、マイナビニュースではSurface 3のレビュー別途お届けする予定なので、こちらもご期待いただきたい。

○実は自由度が高い個人向けSurface 3

最初に登壇した日本マイクロソフト Surface&PCハードウェア戦略本部長の三野達也氏は、「発表後、弊社には多くの質問が寄せられたため、改めて(体験会を)設けた」とメディア向け体験会の趣旨を説明した。会場ではSurface 3のキーポイントを改めて説明したが、本体情報に関して重複するため、気になる方は以前寄稿した記事をご覧いただきたい。

まず注目したいのは、Surface 3に関して寄せられた質問の数々だ。Surfaceデバイスのテクニカルセールスを担当する松平氏は、多くの一般消費者から寄せられたSIMロックに関する質問に対して、「日本国内で販売するSurface 3はSIMロックフリー」と回答している。Surface 3自体にSIMロックはかけていないと説明するが、今後展開する海外モデルは、市場背景や提携するキャリアに応じて、SIMロックを有効にする可能性を匂わせていた。


Wi-Fi(無線LAN)に関しても改めて説明。松平氏によれば、個人/法人向けモデルのネットワーク関連機能に差は存在せず、SIMカードを挿せばLTEや3Gの使用、そのままでもテザリングや無線LANアクセスポイントへの接続は可能である。ここで下図をご覧いただきたい。こちらはSurface 3がサポートするLTE/3Gバンドの一覧だ。例えばLTEバンド1はNTTドコモやKDDI、ソフトバンクモバイルが対応し、バンド3ならNTTドコモの東名阪バンド、ソフトバンクモバイルとなる。バンド8はソフトバンクモバイルが対応する。

興味深いのは、2.6GHzのバンド7や800MHzのバンド20をハードウェアレベルでサポートしている点だ。例えば前者は北欧や香港、中南米で使われる通称「拡張IMTバンド」、後者は欧州で主に使われる周波数である。
松平氏によれば「海外で使えるか」がもっとも多かった質問だという。つまり国内でSurface 3を購入し、「前述した海外各国に関しては使用可能」である。契約キャリアのローミング機能や、現地SIMカードへ切り替えることで、LTE 1/3/7/8/20を使用する通信キャリアがある国では使用可能、と理解するのが正しいようだ。

個人ユーザーが気になるのは「ワイモバイル(ソフトバンクモバイル)以外の回線は使用可能か」という点だろう。Surface 3は前述したネットワーク機能に関して技適マークを取得予定のため、別キャリアのSIMカードを利用しても罪に問われることはない。その点に関して松平氏は「(別キャリアのSIMカードは)テストしていない」とこれまでの公式発表と同じ回答を繰り返している。ただし「法的にも技術的にも(別キャリアの使用を)妨げるものはないので、個人責任で使用する分には問題がない」とも述べた。

では、なぜ「ワイモバイル(ソフトバンクモバイル)のネットワークに最適化」という表現を用いたのだろうか。
その理由として、Surface 3のテスト機が完成した頃からソフトバンクモバイルの研究所でネットワークテストを行い、多くのフィードバックを日本マイクロソフトがSurface 3に取り込んできたからだという。

Surface 3のプリインストールOSと一般的なWindows 8.1との相違点についてはオープンにしていないと回答を避けたが、関係者によればワイモバイルのAPN(Access Point Name)データを内包し、簡易的なTCP/IP周りのチューニングを行っているようだ。

●Cherry TrailことIntel Atom x7-Z8700を初搭載したSurface 3
○Surface 3は"本当に使える"タブレット

Surface 3はタブレット向けプロセッサであるIntel Atom x7-Z8700(1.60GHz、開発コードネーム:Cherry Trail)を搭載しているが、Surface 3が初搭載デバイスとなる。その関係から、インテル チャネル企画戦略室 室長の小澤剛氏も本体験会でプレゼンテーションを行った。

インテルは以前からマイクロアーキテクチャの開発において微細化と機能向上を交互に繰り返す「チック・タック(Tick-Tock)モデル」を採用しているが、Atomに関しては製造プロセステクノロジーの微細化と機能向上を毎年同時に刷新している。その結果、製造プロセスを収縮させることで、空いたスペースにGPUのトランジスタを搭載するなど"アグレッシブな進化"を遂げてきた。小澤氏はAtom x7を搭載したSurface 3を指して、「本当に使えるWindowsタブレットが完成した」と自身の感想を述べている。

続けて小澤氏は、Atomシリーズは「ネットブックなどに搭載するプロセッサという印象が強かったが、Bay Trail(開発コード名)の登場で悪いイメージは払拭(ふっしょく)できた」と過去を振り返りつつ、Atom x7の特徴として"GPU性能の向上"をアピールした。
Cherry Trailは、Broadwell(第5世代Intel Coreプロセッサ)と同等の、第8世代と呼ばれるGPU「Intel HD Graphics」(Gen8)を実装している。DirectX 11.2やOpenCL 2.0へも対応し、小澤氏の言葉を借りれば「デスクトップPCと同等。PCゲームも十分楽しめる」プロセッサだ。

ここで実機を用いたベンチマークを披露しよう。時間の都合で比較マシンを用意できなかった点はご容赦いただきたい。ひよひよ氏のCrystalDiskMark 4.0.3によれば、Surface 3のストレージがeMMCであることも作用してか、正直あまりよいストレージ性能とはいえない。とはいえ、約1時間という制限のなかで触れた限りは、数値で示したような遅さは体感していない。けっこうサクサクと動く。


もう1つは、FuturemarkのPCMark 8(2.4.304)を用いて、タブレットやノート/デスクトップPC向けのHome Accelerated 3.0テストを実行。こちらのスコアは「1652」ポイントと想像以上の結果だ。小澤氏が説明したようにAtom x7のGPU性能向上が寄与した結果といえるだろう。ちなみにPCMark 8実行中でもSurface 3本体が過度に熱くなるような場面もなく、背面上部が"ほんのり"暖かくなる程度だった。

前述のようにわずか1時間という短い間だが、筆者が気になったのは「Surface 3 Type Cover」の打鍵感である。筆者は初代Type Cover、Type Cover 2と個人的に購入してきたが(Surface Pro 3は未購入のため、同Type Coverは試用レベル)、それまでと比べて打鍵感が向上したように感じた。担当者は「タイプ時に発生した"しなり"を極力減らした」と説明し、全体的に強度が増したようである。

また、冒頭で紹介した「Surface特別ブース」ではタッチ&トライだけではなく、法人向けリセラーに見積もり依頼を出すWindowsストアアプリもインストール済みだった。
名刺をSurface 3などで撮影すると、連絡先を読み取るなどOffice Lensに似た機能を備え、本体やType Coverの配色、オプションも合わせて選択注文できるのは面白い。

さて、日本マイクロソフトの説明によれば、6月第1週末から大型の量販店でSurface 3の実機展示を開始し、多くの方々が実際に試用できるようになるそうだ。前述のとおり、コンシューマーはLTEモデルが前提となるが、本体のみ購入することもできるため、"外出先でのネット接続が必須"な方や、"お手軽な2in1 PCがほしい"という方は、その手でSurface 3に触れてみていただきたい。

阿久津良和(Cactus)

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