2015年6月2日 15:51
MacBookの耐えられない薄さを精神的にレビューする
通勤中にiPhoneで書いた小説がデビュー作となった作家・藤井大洋は、2012年発表の短編『UNDER GROUND MARKET』で、ロスジェネが40~50代になった少し未来を舞台に、オフィスを持たずに仕事をし仮想通貨で収入を得る若者を描いた。パソコンはプログラマなど特殊な職業の人しか使わないデバイスになった時代。主人公の青年はコーヒーを片手に『俺だってクライアントが電子メールにパソコン用の添付ファイルなんてアホらしい方法で連絡してくるんじゃなければタブレットで済ませたい』とボヤく。彼が手にしているのは、MacBookだ。
ほんの数年前、iPhoneはAppleファンという特殊な人が買う特殊なデバイスだった。現在は逆に、iPhoneで初めてApple製品に触れた人が、自分用のパソコンとしてMacを使い始めるケースが増えているという。確かに、iCloudやiTunesの連携を考えると、iPhoneユーザーに最適なパソコンがMacであることは間違いない。ミュージックやブックといったコンテンツばかりでなく、Mac OSに「写真」アプリが導入されたことで、iPhoneで撮った写真も意識しないうちにMacとも共有されるようになった。