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ハイアールがまたやってくれた - R2-D2型の動く冷蔵庫など家電に革命を

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ハイアールがまたやってくれた - R2-D2型の動く冷蔵庫など家電に革命を
●白物家電でもあり、黒物家電でもある冷蔵庫
ハイアールアジアは6月2日、「Innovation Trip! 2015 feat. AQUA」と題した戦略発表会を開催した。1月に行った戦略発表会で明らかにした3つの事業戦略に基づき、AQUAブランドから近日中に発売する新製品や、開発中のコンセプトモデルを多数公開した。

前回の戦略発表会で、ハイアールアジア 代表取締役社長兼CEOの伊藤嘉明氏が表明した事業戦略は、「家電を利用した新しいビジネスモデルの構築」「既存分野でのイノベーション」「家電の嗜好品化」の3つ。今回の発表会でも、この3つを柱にした事業展開や製品開発などを引き続き行っていくと改めて強調された。

○冷蔵庫はキッチンに置かなくてもいい

1つめの事業戦略である「家電を利用した新しいビジネスモデルの構築」の中核を担うのが冷蔵庫だ。前回の発表会で伊藤氏が「黒物家電でも白物家電でもない」と語った、扉に液晶ディスプレイを搭載する冷蔵庫「DIGI」シリーズを"IoT"(Internet of Things、モノのインターネット化)のハブと位置付け、Wi-Fiによる通信機能やマイクなどの機能とともに、ジェスチャーによる操作などを実現していく。発表会では、ハイアールアジアが思い描いている世界観を表現したイメージビデオなどが公開された。

○時間通りに適温のミルクを作ってくれる家電

2つめの戦略である「既存分野でのイノベーション」では、白物家電という既存のカテゴリには存在しなかった革新的な商品を生み出していく。
1月の発表会では、持ち運び可能な洗濯機「COTON(コトン)」(既発売)と、空気(オゾン)の力で水を使わずに衣類の除菌・消臭を行うエアウォッシャーが紹介されていた。今回の発表会では、エアウォッシャーを「Racooon(ラクーン)」の製品名で6月下旬に発売することが明らかにされた。そのほかにも、多くの開発中製品が披露された。

開発中製品の一つが、2016年発売予定のミルク自動調合機「Auto milk」。育児の負担を軽減することを目的とした家電で、ボタンを押すだけで月齢に合った適量・適温のミルクを自動で調合するというものだ(カートリッジなどの形式で提供予定)。自動調合だけでなく、冷凍保存した母乳を自動で解凍して適温にする機能、ミルクの飲ませ忘れを防ぐためのアラーム機能、タイマー機能や、スマートフォンの専用アプリを通じて授乳状況の管理を行える機能なども持つ。そのほか、重量を測定しながらカメラで食材を認識し、カロリーや栄養情報を測定するハンディ栄養成分測定器「CAL」、キャスター付きの移動式冷蔵庫「Carry」、円柱型冷蔵庫「Tower」、食品の酸化を防止することで冷やさずに鮮度を保つ食品保存庫「Non-Ref」も紹介された。CALは2015年冬に、Carryは2016年春に発売予定で、TowerとNon-Refは発売時期未定だ。


●中身が丸見えの洗濯機、R2-D2型の冷蔵庫が登場!
○自分がほしいと思う、ワクワクするものを作りたい

次に、3つめの事業戦略として掲げる「家電の嗜好品化」について。前回の発表会でも具体例として、洗濯槽が透明なスケルトン洗濯機や、冷蔵庫の着せ替えカバーを紹介していた。

伊藤氏いわく「家電を所有するワクワク感」を提供する意図で展開していく製品として、今回新たに「R2-D2型冷蔵庫」(仮称)を初披露。いわずと知れた映画「スター・ウォーズ」シリーズの人気キャラクター「R2-D2」を模した冷蔵庫だ。R2-D2の胴体部分に冷蔵庫を備え、ペットボトルなどの飲料を保冷できる。さらに、呼ぶと冷蔵庫が移動して近づいてくれる(実際にはリモコンでの操作)など、音声や動きなども細部にわたって忠実に再現したという。発売時期や価格は未定ではあるものの、実際に発売する予定だ。

すでに発売している「COTON(コトン)」には、期間限定カラー13色のほか、ディズニーキャラクターをデザインした4モデル、スター・ウォーズのキャラクターをデザインした5モデル、MARVELコミックキャラクターをデザインした2モデルを追加した。


冷蔵庫用の着せ替えカバーは、「Colo-mo(コローモ)」という名称で予約販売を開始することが発表された。第1弾として、ディズニーキャラクター、スター・ウォーズ、MARVELコミックキャラクターのシリーズを展開する。

○今までにないものを作り出す

前回に続き、伊藤氏が繰り返し強調していたのは「革命」のキーワードだ。2015年、三洋電機時代の赤字から計算して、15年ぶりに黒字転換したハイアールアジアだが、伊藤氏はこれまでを振り返りながら、「ハイアールが、他の国内メーカーと同じように赤字を計上していたのは、『これまでどおりの家電を作ってきたから』という一言に尽きる」と語る。
さらに、「昭和30年代に、"三種の神器"と呼ばれる冷蔵庫・洗濯機・掃除機が登場したが、当時の消費者のライフスタイルを大きく変えたからこそ売れたといっていい。つまり、人々の生活に新しい価値を提案してきたのが"家電"。しかし、いまやその役割を終えている」と分析する。

そこで、ハイアールアジアが目指すものとして伊藤氏が表明したのが、"家電"ではなく、価値を伝える"価電"であり、可能性を伝える"可電"だ。
「これまで白物家電に求められていた価値を、次のレベルで昇華していきたい。日本からアジア、アジアから世界に向けて発信していき、日本を"覚醒"していく」と、最後に熱い意気込みが語られた。

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